「FIFAワールドカップ2026」も残すところ決勝戦のみとなり、大会はいよいよクライマックスを迎える。連日の熱戦続きで、寝不足気味になっているサッカーファンも多いだろう。本大会の熱狂にあてられ、サッカー漫画を読み返している人もいるのではないだろうか。
そんなサッカー漫画の人気のポジションといえば、やはり試合をコントロールする「司令塔」だ。そこでピッチを支配し、華麗なプレーで得点を演出する天才的なゲームメーカーたちを、数々のサッカー漫画の中からタイプ別に紹介していこう。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■【万能型】日本サッカー界の至宝『キャプテン翼』大空翼
サッカー漫画の金字塔『キャプテン翼』(高橋陽一氏)を代表するゲームメーカーといえば、言わずと知れた主人公・大空翼である。
「ボールはともだち」という言葉を広めた天才サッカー少年であり、そのプレーはまさにオールラウンド。ドリブル、パス、シュートとどれをとってもセンスは抜群であり、ロングシュートや空中戦にも強く、もはや弱点が見当たらない。
得点、アシスト、守備のいずれも高水準でこなす、“なんでもできる”万能型のゲームメーカーといえるだろう。
それに加えて、常に前向きな明るい性格と、ケガなどの逆境にも屈しない強い精神力を持ち合わせている。チームが苦しいときにこそ、みんなが頼れるキャプテンであり、まさに日本サッカー界の至宝と呼ぶにふさわしい存在だ。
■【戦術眼の天才】ピッチ全体を支配する超俯瞰型の司令塔『アオアシ』栗林晴久
現代サッカーのリアルを描く『アオアシ』(小林有吾氏)からは、栗林晴久を挙げたい。
彼は名門クラブ「東京シティ・エスペリオンユース」に所属しながら、16歳という若さでJリーグデビューを果たした天才だ。主人公・青井葦人もサイドバックで司令塔の役割を担うまでに成長しているが、実力は栗林が遥か上をいく存在として描かれている。
“エスペリオンの至宝”と称される栗林は、高い決定力、卓越したドリブル技術、そしてパスセンスを兼ね備えており、同世代では実力が頭一つ抜きん出ている。さらに彼はピッチ全体を広く見渡せる、俯瞰的な視野の持ち主でもあるのだ。
“世界最高の選手は誰か”という問いに対し、「それが、俺でありたい」と憶することなく言ってのけるほどの高みを目指す孤高の存在でもある。
作中では、その圧倒的な実力ゆえに試合での出場シーンは限られている。しかし、ピッチの外から試合を見ているだけで、チームや個々のやりたいことを見抜いてしまう戦術眼の高さも彼の持ち味なのである。
■【熱い闘将】チームを牽引するゲームメーカー『シュート!』神谷篤司
90年代のサッカー漫画を代表する『シュート!』(大島司氏)からは、闘志あふれるゲームメーカー、神谷篤司を挙げたい。
掛川高校サッカー部主将である彼は、伝説的な天才プレイヤー・久保嘉晴亡き後、熱い気持ちでチームをまとめ上げ、厳しい戦いを乗り越えてきた。
爆発的な決定力を誇る主人公・田中俊彦、天才ドリブラーの平松和広、熱血ゴールキーパーの白石健二といった個性豊かな1年生トリオが注目されがちだが、それでもチームの心臓となるのは、まぎれもなく闘将・神谷だ。
彼はキャプテンシーはもちろん、プレイヤーとしての能力も高い。とくに相手に囲まれながらもボールを保持する圧巻のキープ力は、敵陣に隙を生み出す重要な武器である。
そして、神谷の代名詞ともいえるのが、まるで時間が止まったように見える“魔法のパス”だ。このキラーパスで幾度となく決定的なチャンスを演出してきた。
短気な一面があるので感情的になると怖いが、それでもチームが劣勢なときこそ、誰よりも頼りになるゲームメーカーなのである。


