アニメではどう表現された? 斬月に草鹿やちるの正体、市丸ギンの真意も…鬼才・久保帯人が描く『BLEACH』鳥肌モノの「伏線回収シーン」の画像
『BLEACH』公式SNSより ©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 久保帯人氏による『BLEACH(ブリーチ)』は、スタイリッシュなバトル描写や独特なセリフ回しだけでなく、巧妙に張り巡らされた伏線と鮮烈な回収によって、長年ファンを魅了し続けてきた。

 2022年から始まったアニメ『BLEACH 千年血戦篇』は、2026年7月25日からの最終シーズン放送を控えており、物語はついにクライマックスへ突入する。

 そこで今回はその壮大な物語の中でも特に読者を驚かせた、鳥肌ものの「伏線回収シーン」を振り返りたい。

 

※本記事は作品の核心部分の内容も含みます。

 

■最初から答えは隠されていた…「斬月のおっさん=ユーハバッハ」

 本作屈指の伏線回収として、まず外せないのが「斬月のおっさんの正体」である。

 初登場はコミックス第8巻。主人公・黒崎一護の精神世界に現れ、一護に力の使い方を教える導き手として描かれた。以後も幾度となく窮地に陥る一護を支え続け、読者からは“もうひとりの相棒”として長く認識されていた存在だ。

 しかし久保帯人氏は、登場時点ですでに伏線を仕込んでいた。初対面で一護が「誰だあんた?」と問いかけると、彼は「私だ■■■■■■だ」と返答する。黒塗り部分のスペースを見る限り、どう考えても「斬月」の二文字では収まらず、後に明かされる「ユーハバッハ」の名を当初から示していたようにも思える。

 さらに彼が直後に一護へ教えた“大気中の霊子を固めて足場にする技術”も、自身からあふれ出す霊子を使う死神とは異なる、滅却師(クインシー)の能力である。つまり久保氏は、初登場時からすでに“斬月のおっさん”の正体を読者の目の前に置いていたのである。

 そしてコミックス第60巻で、ついにその真相が判明する。長年“斬月”だと思われていたこの男の正体は、一護の内に眠る滅却師の力そのものであり、その姿は死神最大の宿敵であるユーハバッハの約千年前の姿だったのだ。

 この場面は、アニメ『BLEACH 千年血戦篇』第1クールの最終話となる第13話「THE BLADE IS ME」で描かれた。挿入歌『Number One』が流れるなか、一護が消えゆく“斬月のおっさん”を前に「お前は斬月だ」と受け入れる場面は、原作ファンにとっても待望の名シーンとなった。

■可愛い副隊長の正体はまさか…草鹿やちると「野晒」

 続いて挙げたいのが、長年ファンの間でも考察が飛び交っていた「草鹿やちるの正体」である。

 護廷十三隊十一番隊副隊長・草鹿やちるは、特徴的なピンク色の髪に無邪気な性格、さらに常に更木剣八の肩に乗っているという独特な存在感から、“可愛いマスコット”的な人気を集めていたキャラクターだ。

 だが、その存在にもかなり早い段階から伏線は張られていた。コミックス第13巻では、北流魂街79地区“草鹿”で、幼き剣八がひとりの少女と出会う過去が描かれる。

 周囲には無数の死体が転がり、自身も返り血を浴びていた剣八。普通なら誰も近寄れない異様な光景だったが、その少女だけは剣八を恐れることなく近づき、さらには傍らにあった血に濡れた刀身へ何のためらいもなく手を伸ばしたのである。この出会いこそ、後の衝撃的な真相へとつながっていくのである。

 その後、コミックス第64巻で描かれたグレミィ・トゥミューとの戦いでは、剣八が初めて斬魄刀を解放した瞬間、やちるはそれまで見せたことのない不思議な表情を浮かべ、そのまま姿を消してしまう。この不可解な退場もまた、読者に大きな違和感を残すこととなった。

 そして、コミックス第73巻、ついに「やちるの正体」が明かされる。

 ジェラルド・ヴァルキリーとの戦いで瀕死となった剣八の前に、行方不明だったやちるが再び現れ、「剣ちゃんがあたしをちゃんと使えば 剣ちゃんが斬れない奴なんていないんだから」と語りかける。

 次の瞬間、剣八はついに卍解「野晒」を発動。この時、“やちるの正体は剣八の斬魄刀「野晒」そのものだった”という衝撃の真実が、ついに決定的な形で明かされたのである。

 死神にとって斬魄刀とは単なる武器ではなく、自らの魂そのものである。本作で繰り返し描かれてきた“斬魄刀と死神の絆”という重要なテーマが、これ以上ない形で回収された名場面といえるだろう。

 作中でも屈指の凶暴さを誇る剣八の卍解「野晒」。まもなく始まるアニメ最終シーズンで、この衝撃の瞬間がどれほどの迫力で描かれるのか、今から楽しみでならない。

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