■戦術が勝敗の鍵を握った…フェルン&メトーデVSゾリーダ&ヘモン

 最後に紹介するのは、戦術面が勝敗を分ける鍵となった魔法使いと魔族の戦いだ。
 凶暴な魔族「神技のレヴォルテ」の討伐任務を受けたフェルンと一級魔法使い・メトーデは、レヴォルテの配下であるゾリーダとヘモンによる奇襲を受ける。

 この戦闘で特にやっかいだったのが、ヘモンの「霧を操る魔法(ネベラドーラ)」だ。視界と魔力探知を同時にさえぎる霧でフェルンとメトーデは分断され、フェルンが得意とする潜伏と長距離狙撃が通用しないという不利な状況に追い込まれる。魔族たちの実力も高く、このままでは状況が悪化するだけであった。

 そのとき活路を切り開いたのはメトーデだ。彼女はゾリーダに猛攻をしかけ、あたかも小細工なしの殺し合いに持ち込んだかのように見せかけた。これに気を良くしたゾリーダは、「いざ尋常に」と正面からの攻撃を繰り返すが、メトーデの攻撃には殺意がなかった。

 ゾリーダがその意図に気づいた時には遅かった。メトーデは戦うふりをしながらヘモンの霧を解析し、対抗魔法である「霧を晴らす魔法(エリルフラーテ)」の準備を整えていたのである。

 霧さえなければ、あとはフェルンの独壇場だ。予測不可能な超遠距離からの「魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)」で、瞬く間にヘモンとゾリーダを葬り去った。

 この戦闘では、フェルンの不利を悟るや否や、ゾリーダをだまして霧を解析したメトーデがMVPだろう。戦況を正しく分析して最善手を選ぶ能力とセンスは、まさに一級魔法使いならではのものである。

 

 すでにアニメ化された部分までの展開において、特に読者を白熱させた頭脳戦の数々を振り返ってみた。漫画のほうでは素朴で淡々とした描写でトリックプレーの巧妙さを際立たせ、アニメでは美しく派手な魔法の描写が、勝利のカタルシスを倍増させてくれる。

 同じ戦いでも媒体ごとに受け取り方が違うため、この記事を読んで興味を持った人は、ぜひ原作漫画とアニメの双方で、フリーレンたちの頭脳戦を観戦してみてほしい。

 

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