■アニメ版での違い②:“その後の日常”を大胆カット、原作と異なる幻海の結末
第2の違いは、幻海の扱いと最終回そのものの空気感である。
漫画で描かれた幽助の霊界探偵再開や、桑原和真、蔵馬、飛影ら各キャラクターの“その後の日常”は、アニメ版では大胆にカットされている。物語は、魔界トーナメントの決着後、一気に最終回の第112話「フォーエバー!幽遊白書」へと向かうのだ。
そして、幻海の描かれ方も大きく異なっている。原作漫画では、最終回の時点で幻海はすでに寿命によって亡くなっていた。しかしアニメ版では、彼女は健在であった。
そのため、原作のような遺言状による死後のメッセージではなく、幻海本人の口から、桑原、蔵馬、飛影、ぼたん、雪菜、コエンマといったおなじみの面々に対し、土地の処分や今後の意志を語る展開に変更された。
幻海亡き後の“世代の移り変わり”を感じさせた原作の切ない余韻のある終幕に対し、アニメ版では、幻海を含めた主要メンバーが最後まで顔をそろえるという、温かな大団円として描かれたのである。
■アニメ版での違い③:幽助の帰還を描いたアニメ独自のラストシーン
第3の違いは、物語の締めくくり方を象徴するラストシーンである。
トーナメント終了後、アニメ版で幽助はすぐには人間界に戻ってこない。ヒロイン・雪村螢子をはじめとする仲間たちは、いつ帰ってくるとも知れない彼の帰還を待ち続けていた。
そんな中、幻海と別れた一行は、原作ラストでも印象的だった浜辺へと足を運ぶ。
夕日に照らされた浜辺で、螢子は感情を爆発させるように幽助の名を叫ぶ。すると、その声に応えるように、ついに幽助が姿を現すのだった。
感動的な再会を果たした幽助と螢子はキスを交わし、ここでおなじみのオープニングテーマ『微笑みの爆弾』が流れ始める。こうして、アニメ版『幽☆遊☆白書』はその幕を閉じたのだった。
原作が“戦いの後も続いていく日常”を静かに描いたのとは対照的に、アニメ版では、主人公・幽助の帰還とヒロイン・螢子の再会を強く打ち出したフィナーレとなっている。
このように、原作漫画とテレビアニメ版の最終回は、同じ『幽☆遊☆白書』でありながら、目指した結末の方向性が大きく異なっていた。
原作が選んだのは、戦いの後も続いていくキャラクターたちの人生を静かに描き、静かな余韻を残したラスト。一方のアニメ版は、原作読者が見たかった“省略されたバトル”を補完し、幻海の生存、仲間たちの再集結、そして幽助の帰還を描いた、大団円といえるフィナーレだった。
原作漫画もアニメも、それぞれのメディアの特性を最大限に活かした見事な最終回だったといえるだろう。
■一気見したい! 原作で見たかったバトルも…アニメ『幽☆遊☆白書』



