ジャンルにかかわらず「少年漫画」に欠かせない要素の1つが、主人公とヒロインの恋愛模様ではないだろうか。ストーリーが進むにつれて2人の距離が近づいていき、物語のクライマックスを経て正式に結ばれるのが王道の流れといえる。
ラストで主人公とヒロインが結ばれたことが匂わされる作品はあるが、それから具体的にどうなったのかを知る機会は少なかった。
しかし昨今では、大人気漫画の続編作品が登場するケースも多く、その劇中でかつてのヒロインが子どもを授かり、母となった姿が見られることも珍しくない。
夫である主人公を支える妻としての顔や、続編で活躍する子どもの母親としての顔など、かつてのヒロインだった頃とは、また違った顔を見せてくれることもある。
そこで今回は人気少年漫画のヒロインたちが続編作品で母親となった姿が描かれた作品を取り上げ、どのような暮らしをしているのかを掘り下げてみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■『金田一少年の事件簿』のヒロインは、キャリアウーマンとして家計を支える一児の母に
1992年に『週刊少年マガジン』(講談社)で始まった『金田一少年の事件簿』。この作品のメインヒロインは、高校生探偵の主人公・金田一一(ハジメ)の幼なじみ七瀬美雪だ。
面倒見のいい美雪は、グータラなハジメに対して何かと世話を焼くシーンも目立っていた。そのかいがいしさに「もう付き合っちゃえよ」と読者からツッコミが入るほどだったが、作中では友だち以上恋人未満の関係が長く続いた。
しかし、2018年から『イブニング』(講談社)で連載が始まった『金田一37歳の事件簿』の最終回で2人が結婚していることが判明。しかも美雪は、妊娠3か月であることも分かった。
ちなみに37歳のハジメは相変わらず“ずぼら”でうだつの上がらないサラリーマン。一方の美雪は、大手航空会社でチーフパーサーとして多忙な日々を送っていた。
そして2人の子どもである九十九(つくも)が生まれてからの生活は、2025年から『コミックDAYS』で配信中の『金田一パパの事件簿』で描かれている。
この作品は『金田一37歳の事件簿』から7年後が舞台となっており、美雪は出産後に仕事に復帰。ハジメは多忙な彼女に代わって子育てを担うため、サラリーマンを辞めて探偵事務所を立ち上げている。
そしてハジメが息子の九十九を殺人事件に巻き込んでしまったときには、美雪から激怒される場面も……。2人の関係は結婚してからも高校時代と大きく変わることはなく、美雪は一家の稼ぎ頭として家計を支えながら、母親として九十九にも愛情を注いでいる。
■『犬夜叉』のヒロインは、戦国時代に生きる子ども思いの母親に
次に紹介するヒロインは、1996年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載されていた『犬夜叉』に登場する日暮かごめだ。日暮神社に住む中学3年生のかごめは、現代から戦国時代にタイムスリップして半妖の少年・犬夜叉と出会う。
犬夜叉もかごめも、当初は異性として意識していなかった。しかし何でも願いがかなうとされる「四魂の玉」を巡る旅を通して信頼関係が生まれ、お互いにとって大切な存在へと変わっていく。
その結果、かごめは戦国時代で犬夜叉と一緒に生きることを決意し、夫婦となった。そんな2人のあいだに生まれた娘・もろはが活躍するのが、2020年に「壱の章」、2021年に「弐の章」が放送されたオリジナルアニメ『半妖の夜叉姫』だ。
同作でかごめと犬夜叉は、もろはの命を狙う麒麟丸一派によって「あの世」と「この世」の境にある世界に飛ばされ、娘と生き別れて14年もの期間を過ごすことになる。「この世」の状況を映し出せる「人頭杖の池」を通して、娘もろはの成長を見守るかごめの姿からは、わが子を思う母親としての心がうかがえた。
やがて、かごめは娘もろはとの再会を果たし、「あの世」と「この世」の境から帰還。家族がそろってからは、もろはの借金返済のために妖怪退治などをしていたが、その後もろはが修業の旅に出ることになって送り出した。
明るく元気で肝っ玉が据わっているもろはの性格は、母親のかごめ譲りであり、旅立つ娘の姿を見て、かごめは若き日の自分を重ねていたのかもしれない。


