ブロガーのかんそうさんが毎週1回『ふたまん+』にてお送りする、ドラマへの熱い“感想”。今回は、Netflixドラマ『九条の大罪』について【ネタバレなし】で語ります。かんそうさんの心を揺さぶった4人の登場人物について深掘りします。
Netflixドラマ『九条の大罪』シーズン1が配信されたばかりですが、早くシーズン2がほしい。足りない。九条くれよ。もっともっと九条くれよ、なぁ早く九条くれよ。たのむよくれよぉ! と叫びそうになるのを必死に抑える日々。
真鍋昌平の原作のエグさもそうだが、それを万人が見られるような実写化に上手く落とし込み極上のエンターテインメントを成立させていた……特に「4人」の演技が最高でヨダレを垂らしてしまった。
まず1人目は当然・主人公の九条間人だ。柳楽優弥の九条は、根源的にヤバい。鼻孔拡張テープを貼ったまま、屋上でテント生活をし、依頼人の飼い犬ブラックサンダーと暮らす風変わりな男。「思想信条がないのが弁護士である」が持論で、一律33万円でどんな厄介案件も引き受ける。完黙(完全黙秘)すれば20日でパイ(釈放)になると、法の抜け道を淡々と使いながら依頼人を守る。派手な正義感なんかゼロ。ただ、依頼人を守る。それだけ。
柳楽の演技は、そこに「人間の底知れなさ」を詰め込んでいる。静かに依頼人の話を聞き、時折鼻をすすりながらも、目が笑っていない。いや、笑っているように見えるのに、奥底に冷たい計算と、どこか諦めたような優しさが入り混じってる。
あの鼻炎テープすら、ただの小道具じゃなく、九条の「生きづらさ」と「それでもやる」という執着を体現している。柳楽優弥は、九条を「悪徳」と呼ばれる男にしながら、決して嫌な奴には見せない。
むしろ、「こいつ、実は正しいんじゃないか?」と視聴者のモラルメーターをバグらせる。多くを語らず、表情の微かな変化と、低い声の抑揚だけで「法は人の権利は守るが、命までは守れない」という哲学を伝えてくる。洗練されすぎた無駄の削ぎ落とし。柳楽の九条は、ただそこにいるだけで、社会の闇を体現し常識を静かにブッ壊している。
そして松村北斗の烏丸真司。九条の事務所にイソ弁(居候弁護士)としてやってきた東大首席卒のエリート弁護士。正義感の塊かと思いきやのっぴきならない過去を抱えた悲しき男だ。
表面的には「正義を信じるエリート弁護士」のテンプレートに収まりそうな役どころだ。だが松村北斗は、そんな予測を最初の瞬間から崩していく。
九条という強烈なキャラクターの「受け」として機能しながら、決して埋もれない。松村北斗の演技が、九条の型破りさを引き立て、同時に視聴者に「自分ならどうするか」と問いかける鏡のような役割を果たしていた。


