■峯義孝を主人公に『龍が如く3外伝 Dark Ties』を作った理由
――さて今回は『龍が如く3外伝 Dark Ties』という、もうひとつのゲームがセットになっています。こちらを企画したのはどんなきっかけがあったのでしょうか。
阪本 『龍が如く3外伝 Dark Ties』を作ることに決めたのは、けっこう前でした。『龍が如く3』に登場した峯義孝というキャラクターの人気もありまして。彼の生い立ちやドラマは『龍が如く3』一作だけで描くにはもったいないなという思いがあったのです。
その後、スピンオフの『龍が如く 維新!』で土方歳三として登場していたのですが、もっと深掘りできる、という思いをずっと抱えていました。
堀井 最初は映像作品にするというアイデアや、プレイアブルなゲームにするのかどうかを含めて、いろいろな考えがありました。ただせっかく峯を描くのならば、やはり自分で動かしたいな、と。『龍が如く 極2』のときは追加シナリオとして真島吾朗のエピソードをコンパクトに入れたのですが、今回はどうせなら思い切って「外伝」にしてしまおうと。当然ボリュームはすごいし、作るのは大変になるのですが、『龍が如く』シリーズが20周年を迎えたということですし、皆さまへの感謝を示す意味でもいいかなと(笑)。
阪本 それで『龍が如く 極3』に、もうひとつ外伝として『龍が如く3外伝 Dark Ties』をプラスすることになりました。
――「Dark Ties」というタイトルに込めた意味は?
堀井 最初はいろいろなタイトル案があったんです。『龍が如く 極3』の本編は無骨な極道色が強いので、対になるように、峯の外伝はクールな感じにしたく、英語のタイトルがいいと思っていました。
今回の峯の話は、峯の内面やコンプレックス、彼が本当に求めているものを描き、彼の暗い闇の感情に向き合う話でもあるんです。そういう意味でタイトルは「暗い」「闇」という言葉をフィーチャーしようと、「黒い絆」に落ち着いたんです。
阪本 「黒い絆」を英語にしたときにどんな言葉にすればいいのか、いろいろ候補を出して。一番しっくりきたものが「Dark Ties」でした。
――「Dark Ties」では錦山組の神田強の評判をあげるために、峯が奔走する「神田カリスマプロジェクト」というイベントが収録されています。峯と神田の「黒い絆」も描かれるという感じでしょうか。
堀井 そういう意味では『龍が如く 極3』の主人公・桐生一馬と、『龍が如く3外伝 Dark Ties』の主人公・峯は対照的なんです。桐生は「人のために動く」けれど、峯は「自分の中の渇望や欲望を達成するために動く」という自分本意のキャラクターなんですよ。
桐生も峯も人との絆をどこかで求めているんですけど、その人間性が違う。桐生は明るい方向へ向かうんですが、峯はドツボにハマって闇に落ちていく。そういう対比が出せたんじゃないかと思います。
――峯義孝役は俳優の中村獅童さんが務めていらっしゃいます。中村さんとの収録はいかがでしたか?
堀井 中村獅童さんはけっこうノリノリで収録にのぞんでくださって、カラオケの楽曲も歌ってくださいました。十数テイクもいろいろなバージョンでこだわって歌ってくださったんです。すごく楽しい現場でとても良い経験ができました。


