ドラマや映画で活躍する俳優は、メイクや役作りによって普段とはまるで異なる見た目に変身し、多種多様な役柄を演じている。近年では特殊メイクの技術が向上したこともあり、本来の年齢とはかけ離れた老人役を演じることも珍しくはない。
特に、いわゆる「イケメン俳優」たちが老人役を演じる際は、普段の端正な姿とのギャップが、観る者に大きな驚きを与える。その姿は「歳を取るとこんな感じなのか」と、思わず老後の姿を想像してしまうほどやけにリアルだったりする。
今回は、その卓越した演技力と特殊メイクによって老人役を見事に演じきった俳優たちを紹介する。
※本記事には各作品の内容を含みます
■見た目も話術もまさに名人…『昭和元禄落語心中』岡田将生
雲田はるこさんの漫画を原作に、2018年に実写版ドラマが放送された『昭和元禄落語心中』。話芸・落語に人生を捧げた男たちと、彼らを取り巻く人々の人間模様を描いた重厚な群像劇だ。
本作の核となる人物の1人・八代目 有楽亭八雲(菊比古)をドラマで演じたのが、岡田将生さんである。
本来の甘いマスクも相まって、物腰柔らかなイメージの役柄を演じることが多い岡田さんだが、本作では「昭和最後の大名人」と称される伝説的な人気落語家を熱演した。
岡田さんはドラマ第1話から白髪交じりの頭と深いしわが刻まれた老人の姿で登場し、多くの視聴者に衝撃を与えた。
特殊メイクによる老いた姿はもちろんのこと、卓越した落語の腕前も披露しており、その佇まいはまさに名人そのものであった。
クランクインの3ヶ月以上前から落語の稽古を重ねたという岡田さん。その磨き上げた技と老人としての姿が見事にマッチし、役に圧倒的な説得力をもたらしていた。
■苦悩を刻んだ老人の顔…『しかたなかったと言うてはいかんのです』妻夫木聡
熊野以素さんのノンフィクションの書籍を原作に、2021年に放送されたNHKドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』。
太平洋戦争末期におこなわれた「九大生体解剖事件」を題材としたヒューマンサスペンス作品で、主演の妻夫木聡さんが、かつて捕虜の実験手術にかかわった大学医学部助教授・鳥居太一を演じた。
物語では戦争中の若き姿のみならず、終戦後、年を重ね老人となった太一も登場するのだが、こちらも妻夫木さんが特殊メイクを施して演じている。
髪は白く薄くなり、顔にはシミやしわが深く刻まれ、その姿は普段の彼とはまるで別人。
妻夫木さんは自身のInstagramで特殊メイクを施す過程を公開しているのだが、整った顔立ちが徐々に老いていく様子は圧巻の一言に尽きる。
しかし、老人の姿になってもその凛々しい眼差しは消えておらず、ファンからは「イケメンおじいちゃん」といった賞賛の声が上がった。


