任天堂が、ファミコン40周年キャンペーンとして実施した「ファミコン国民投票」。その中の「クリアできなかったといえば?」部門の第1位に選ばれたのが『たけしの挑戦状』(タイトー)、それに次ぐ第2位に選ばれたのが『魔界村』(カプコン)である。
ファミコン世代ではない平成生まれの筆者にとって、両作は「名前は知っているが、本当にそこまで難しいのか」と半信半疑だった。そもそもファミコンというハードを持っていないので、どこか他人事として話を聞いていたからかもしれない。
しかし「Nintendo Switch Online」で遊べるファミコンソフトの中に、『魔界村』を発見。現在でも遊べる環境があるのなら実際に体験してみようと思い立った。
予備知識はほぼゼロで、攻略情報も見ずに「どこまで通用するのか」を確かめるべく、魔界への挑戦を開始した。
※本記事には作品の内容を含みます。
■「敵の無限湧き」「初見殺し」が当たり前の世界
プレイ開始後、すぐに理解したのは、このゲームは「プレイヤーに考える猶予を与えてくれない」設計になっているということ。敵はいくら倒しても無限に現れ、その出現位置も一定ではない。少しでも油断すると目の前に突然現れた敵に一撃をもらい、鎧を失う。
しかも、敵の数が多いだけでなく、こちらが対処している最中にも次の敵が重なるように出てくるため、落ち着いて状況を整理することがほぼ不可能だ。プレイヤーは常に「次の一手」を考える前に、行動を強いられる。
さらに追い打ちをかけるのが、初見殺しのワナの存在だ。とくに印象に残ったのが、着地した瞬間から落下を始める足場。見た目は通常の足場と変わらず、事前に察知する手段もない。
それも『スーパーマリオ』シリーズのように落下に気づいてからジャンプで対処できるような生易しいものではない。足場の端に着地した場合、次の足場へ跳ぶ前に落下してしまう。
つまり「落ちる足場だと知り、その対処法も知っている」状態でなければ落下は免れないのだ。結果的に、この序盤の足場だけで3回ほどやり直すことになり、「学習しないと進めない」という本作の攻略スタイルを嫌というほど叩き込まれる。
■強すぎるランダム要素とシビアな制限時間
ステージ2にある通過必須のはしご付近も、緊張を強いられるポイントだ。はしご周辺を敵がうろついているときは、基本的に敵が離れるのを待つしかない。ある程度は誘導できそうな挙動にも見えて、実際はランダム性が強く、なかなか思い通りにはいかない。
しかも、敵をていねいに処理している時間的余裕はほとんどない。なぜなら、本作の制限時間が非常にシビアだからだ。それこそ『スーパーマリオ』シリーズの感覚で慎重に進んでいくと、あっという間に時間が足りなくなる。
初めてステージ2のボスのところまでたどり着いたときに残り時間がほとんどなく、ボスの動きを確認する前に時間切れでゲームオーバーとなった。このとき「ただ進むだけでなく、迅速に進まなければいけないこと」を理解した。
さらに厳しいのは、そのリスタート位置である。ステージ2のボスに倒されると、再度はしご周辺の難所からやり直しとなり、同じ緊張を何度も強いられる。少しずつ慣れてきた頃に、また同じ場所で集中力を試される構造は、精神的な消耗が激しかった。
■武器を選ばせてくれない理不尽さ
本作には複数の武器が用意されており、道中でランダムにドロップする武器に触れると、その武器に切り替わるシステムとなっている。
いろいろ試してみたが、投げナイフのような「剣」が一番便利だが、総合的な使いやすさでは初期武器の「ヤリ」が安定しているように感じた。直線的に飛び、癖がなく、なにより状況を選ばない。
ところが、とんでもない事態に遭遇する。進むしかないはしごを降りた先に「たいまつ」が落ちていて避けようがなく、強制的に「たいまつ」を拾うしかなかった。
「たいまつ」は射程が短く、地面に炎が残っている間は次の攻撃も行えない。無限に敵が現れる状況では、あまりにも扱いづらいのだ。武器選択の自由がない点は、現代のゲームに慣れた筆者には正直ストレスではあった。








