■見た目と裏腹にマッチョなキャラに急成長『エンゲージ』の少年・ジャン

 最後は『ファイアーエムブレム エンゲージ』(2023年)に登場したジャンである。マルスやリンなど、過去の作品に登場した人気キャラクターが「紋章士」として仲間になるなど、オールスター勢揃いで、シリーズのファンにはたまらない作品となっている。

 ジャンは小柄な見た目で、医者の息子という少年。序盤で仲間になるが、初期クラスは杖を使える「モンク」であり、医者の息子という設定から、「ああ、このキャラはそんなに強くない回復専門のキャラだろうな」と思わされた。

 だが、彼は「努力の才」という個人スキルを持っている。これはレベルアップ時に能力が上昇しやすくなるものであり、このスキルによってジャンは初期のイメージからは想像もつかない、とんでもない成長を見せるのだ。

 キャラのイメージとしては、杖や魔法が使える「ハイプリースト」や「セイジ」などにクラスチェンジさせるのが一般的かもしれない。もちろん、それでも十分戦力になる。

 だが、意外にもジャンに向いているのは「ウォーリアー」や「ベルセルク」といった斧を使いこなすクラスなのだ。スキルの効果もあって肉弾ユニットに必要なパラメータも伸びていくため、最終的には前線で斧を振り回して戦うという、弱そうな見た目とは真逆の活躍を見せてくれる。

 後方で魔法や杖を使って補助役に徹するのがキャラのイメージには合っており、本人もそういう役回りを望んでいたかもしれない。それがまさか最前線で戦うことになるとは思わなかっただろう。

 

 以上、見た目は弱そうなのに、実は相当頼りになるユニットについて紹介してみた。

 普通に育てた場合は、だいたい見た目のイメージどおりに成長するが、『ファイアーエムブレム』シリーズには成長補正のあるアイテムなどが存在する。それをうまく使えば、それほど強くないキャラも最強クラスに育て上げることが可能なのだ。

 次の新作にどのようなキャラが登場するのかわからないが、姿は弱そうに見えたとしても、キャラに対する愛があれば、きっと最強キャラとして活躍させられることだろう。

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