1990年にファミリーコンピュータ用ソフトとして第1作目『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売されて以降、多くのファンに愛され続けている『ファイアーエムブレム』シリーズ(任天堂)。シビアな難易度でありながら、頼もしい美形キャラや深みのあるストーリーなどが支持され、2025年9月にNintendo Directで発表されたNintendo Switch2用の最新作『ファイアーエムブレム 万紫千紅』が2026年に発売される。
この最新作を通じて、再びこの人気シリーズの沼にはまるプレイヤーが続出することだろう。
同シリーズでは、鎧を身にまとったナイト系のユニットや筋骨隆々とした剣士系のユニットなど、いかにも強そうな見た目のキャラが主力として活躍。だが、その一方で見た目的にはヒョロっと頼りなかったり、幼かったりする、明らかに「弱そう」なキャラが戦局を左右するほど強力なパラメータを持ち、バッタバッタと強敵を薙ぎ倒すこともある。
今回はそんな弱そうな見た目とは裏腹に、非常に頼りになった強ユニットを紹介していきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■“神の竜”の名に恥じない最強キャラ 「紋章の謎」のチキ
まずは『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(1994年)のチキである。
彼女はあどけない少女にしか見えないが、実は「マムクート」と呼ばれる竜人族である。人間の姿での戦闘力は皆無だが、「竜石」を使うことで竜の姿に変身することで炎を吐き、守備力を無視した大ダメージを与えることができる。『ファイアーエムブレム』シリーズを象徴する種族といっていいだろう。
多くのマムクートは火竜に変身する火竜石を持っているが、チキはその中でも最強とされるナーガ族の王女であり、「神竜石」という竜石を使える唯一のキャラだ。
「神の竜」の名に違わず、神竜のチキは氷のブレスという、すべての火竜に対して大ダメージを与える攻撃が可能。終盤に数多く登場する敵マムクートを一掃できる強力なキャラなのだ。
そんなチキは第2部の英雄戦争編ではさらにパワーアップ。より強力になった霧のブレスが使えるようになっている。
第1部では火竜ぐらいしか敵として登場しないが、第2部では氷竜、飛竜、魔竜といった竜族が次々と登場。まさにドラゴンのオンパレードとなる。チキの霧のブレスは、それらすべてのドラゴンに対して絶大のダメージを与えるという、チート級の性能になっているのだ。
竜石には使用回数の制限があるが、第2部になると秘密の店限定で竜石を購入できるようになるのもポイント。しかも、氷竜石、飛竜石、魔竜石といった竜石が取りそろえられており、買いだめしておけば、使用回数を気にせず使えるばかりか、必要に応じて竜石を使い分けることも可能。まさに万能キャラとして活躍させられる。
第1部のチキは終盤に登場するので活躍の機会は少ないかもしれないが、第2部ではその能力をいかんなく発揮してくれる。幼い少女をこき使う羽目になり、労働基準法にひっかからないか心配になるが、実はチキは1000年以上生きている。
ちなみに、のちに『ファイアーエムブレム 封印の剣』(2002年)にもマムクートの少女・ファが登場するが、彼女も神竜になれるマムクートで、チキと似たタイプ。「見た目は弱そうなのに最強」なチキをオマージュしているといっていいだろう。


