■もっと美男子だった!?『こちら葛飾区亀有公園前派出所』中川圭一

 破天荒な警察官を主人公に、彼を取り巻く日常風景を描いた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治氏)。

 「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されていたこともある長寿作品だが、中でも初登場時から大きくビジュアルが変わった人物といえば、派出所の仲間の1人である中川圭一だろう。

 彼は中川コンツェルンの御曹司で、作中屈指のイケメンだ。にもかかわらず、主人公・両津勘吉を慕う良き後輩として、実に無茶苦茶な活躍を繰り広げていた。

 少し長めの茶髪と黄色をベースにした特注の制服が特徴的な中川だが、初登場時はより一層、美男子っぷりに磨きがかかったビジュアル。長いまつげを蓄えた、きりりとした眼差しを持つシャープな顔立ちは、どこか少女漫画を連想させるほどだった。

 また、身に着けている制服も黄色地であることには変わりないが、全身にストライプが入り、わずかに裾が広がっていたりと、警察官というよりはモデルといった出で立ちだ。

 ちなみに彼、原作では「拳銃が持てるから」という驚きの理由で警察官になり、実際に発砲するシーンがあったりと、なかなか両津に負けず劣らずの破天荒な活躍を見せていた。

■マジシャンじゃなくて調教師?『魁!!男塾』男爵ディーノ

 札付きの不良たちを集めた教育機関を舞台に、男たちの熱い激闘が繰り広げられる『魁!!男塾』(宮下あきら氏)。

 戦い方はもちろん、見た目も型破りなキャラクターが多数登場する本作だが、中でも登場初期と大きくデザインが変更されたのが、男塾三号生であり鎮守直廊三人衆の1人として登場した男爵ディーノである。

 男爵の名が示す通り、シルクハットと口元の髭が特徴の紳士的な見た目をしている。「地獄の魔術師(ヘルズ・マジシャン)」の異名を持ち、のちの戦いではマントを身に纏ったマジシャン風のキャラクターとして活躍した。

 そんな彼だが、初登場時はまだマジシャンとしての設定が希薄だったためか、頭部以外のデザインが大幅に異なっている。

 当初は革製のジャケットにズボンを身に着け、鞭を携えたどちらかというと猛獣の調教師のような見た目をしていた。一応、紳士的な振る舞いこそ見せていたものの、激昂すると口調が荒くなるなど、性格面でもまだまだキャラクター像が固まっていない感は否めない。

 ちなみに、のちにマジシャンスタイルとなるのだが、その際のマントの下はふんどし一丁……と、他のキャラクターに負けず劣らずの大きなインパクトを残している。

 

 長期連載作品において、物語の進行やキャラクターの成長に伴い、デザインが変化していくことは珍しくない。今回紹介したキャラクターたちの初登場時の姿からは、意外な新鮮さと驚きを感じ取ることができる。

 今、振り返ると「誰?」と思ってしまうような初期デザインも、今の彼らの魅力を形づくる大切な一歩だったといえるかもしれない。

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