■木村拓哉さんとの共演も話題になった『教場II』
多くの話題作に出演してきた目黒さんだが、その中でもよりクールで鋭い表情を見せていたのが、フジテレビ系で2021年の1月3・4日に二夜連続で放送された『教場II』だ。
木村拓哉さん演じる冷静で厳しい警察学校教官・風間公親が、様々な覚悟を抱えて入学してきた生徒たちと向き合っていく様子を描く本作。目黒さんはその中で、風間教場200期の生徒・杣利希斗(そま・りきと)を演じている。
警察一家に生まれた利希斗は、鋭い観察眼を持つ頭脳明晰な青年。他の生徒とは一線を画す冷静な性格で、一見すると非の打ち所がない優秀な生徒だが、親の期待に応えるために警察学校へ入った背景からどこか屈折した感情を抱えていた。
そんな中、同じ境遇で学校を辞めたがっている伊佐木陶子(岡崎紗絵さん)と心を通わせ、学校を辞めるための口実の一つで妊娠させてしまう。しかし、すべてを悟った風間が二人を導き、最終的に利希斗は前に進む道を選び卒業を迎えることとなる。
目黒さんは日ごろの爽やかなイメージを一変させ、短髪&メガネの真面目そうなルックスに挑戦。このレベルの短髪は自身初ということだが、張りつめた雰囲気の役柄と絶妙にマッチし、新鮮な魅力を放っていた。
さらに、セリフの出し方や心の奥底で渦巻く葛藤を押し殺すような細かな表情の変化など、目黒さんの演技は非常に繊細。冷静さを保ちながらもどこか不安定で、常に緊張感をまとう利希斗という人物の内面を丁寧に掘り下げてみせた。本作で見せた影のある演技は、目黒さんの表現の幅を広げる大きな一歩にもなったといえよう。
そして2026年1月1日からは、『教場』シリーズ最新作となる『教場Reunion』がNetFlixで配信開始される。198期、200期の卒業生たちが風間の危機によって再び集結することが発表されており、目黒さんもその一人として出演することが決まっている。
深みのある感情表現で、役ごとに新たな魅力を開花させてきた目黒さん。その挑戦は確かな成長へとつながり、俳優としての引き出しは益々広がっている。次はどんな表情を見せてくれるのか、期待は高まるばかりだ。


