■アメコミ調のヒーローを使って最大4人同時プレイが可能

 実はこれ、ハードオフの「オファー買取」によって、仕入れた品物なんです。

 ユーザーさんが売りたいものを「オファー買取」というアプリで出品すると、全国のハードオフグループ約1000店舗がその情報を共有。買取を希望する店舗が査定を行い、「この価格で買い取りますがいかがですか?」と出品ユーザーさんにオファーする仕組みです。

 複数の店舗が買取を希望すれば、高値を付けた最大5店舗からのオファーが届きます。ユーザーさんは店舗に出向く必要がなく、アプリと宅配便で買取が完結します。

 そして、この「オファー買取」には、店頭に持ち込まれることのないような、貴重なソフトが出品されることがあるんです。たいてい複数の店舗で取り合いになり、オークションのようになってしまうんですが、私はどうしても欲しいソフトには、無理してでも高い査定額を提示しています。

 こうして入手したのがまさに『キャプテンコマンドー』でした。高額なのは、店舗同士で競り合った査定額が販売価格に反映されているから、というのもあるんですよ。

 ゲームセンターで初めて『キャプテンコマンドー』を見たとき、4人分のレバーとボタンが付いた筐体で動いていたのを見て衝撃をウケました。そんなのを見たのは『ガントレット』(※)(アタリ/1985年)以来のことだったんですよね。(※見下ろし視点で迷路を進むアクションシューティング。4人分のレバーとボタンが付いた専用のアップライト筐体で稼働していた。日本へはナムコ(当時)が輸入)

 『ファイナルファイト』が2人で同時に遊べるのを初めて見たときもスゴイと思ったのですが、それが発展して、ベルトスクロールアクションを4人で遊べるのかと。その頃の私は、もう仲間とワイワイ遊ぶような年頃ではなくて、実際に4人で遊ぶことはなかったんですけど。ちなみに、スーパーファミコン版やプレイステーション版は、最大2人同時プレイ可能という仕様でした。

 印象的なのはキャラクターです。アメコミ調のデザインで、ロボットに乗った赤ちゃんや、ミイラの姿のナイフ使いなど、実に個性的なラインナップ。平成初期……約35年前の私にはちょっと早すぎたようで、そのよさが理解できなかったんですよね(笑)。でも、アメコミヒーローへの理解も進んだ現在、改めて見ると、めちゃめちゃカッコいいです!


※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。

 

【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。

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