■『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』アクションと謎解きの完成形
1991年に発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は、「2Dゼルダ」の到達点であり、後のシリーズの基盤を築いた傑作である。
「光の世界と闇の世界を行き来する」というフィールド構造は画期的で、同じ地形が世界によって意味を変え、探索を通じて発見の喜びが積み上がっていくゲームデザインは、今なお忘れがたい完成度を誇った。
多くのプレイヤーを虜にした「回転斬り」をはじめ、主人公リンクのアクションが多数追加された点も特筆すべきである。これにより、ダンジョンでの謎解きもいっそう複雑でやりごたえのあるものへと進化した。
「ハイラル城」をはじめとする各BGM、アイテムを発見したときの印象的なSE、マスターソードを抜く瞬間の演出、そしてアイテムの使い方で攻略法が変わるダンジョン設計。本作で確立されたそれらすべてが、その後の『ゼルダ』シリーズの核となった。
■『MOTHER2 ギーグの逆襲』超弩級の悲しみと祈りを体験させた
1994年に発売された『MOTHER2 ギーグの逆襲』は、コピーライターの糸井重里さんが企画し、ディレクター・デザイナーとしても携わった作品である。
少年ネスが仲間と世界を救う旅に出る、その王道的プロットの裏側にあるのは、言葉と音と映像が一体となり感情に訴えかけてくる体験だった。
本作を象徴するのが、ラスボス・ギーグ戦である。最終段階を迎え攻撃も魔法も通じなくなってしまった中、相手を倒すための手段はただひとつ「いのる」のみ。
戦いではなく「祈り」によって世界に手を伸ばす展開は、それまでのRPGにはなかった斬新なもので、多くのプレイヤーの記憶に刻まれている。
明るくポップな第一印象とは裏腹に、深い孤独と救済の物語が描かれている本作。「大人も子供も、おねーさんも。」――そのキャッチコピーの通り、世代を超えて多くの人々の心に残る作品となった。
スーパーファミコンの誕生から35年が経った今でも、当時を彩った名作の魅力は色褪せることなく語り継がれている。
主人公と旅をしたこと。運命の選択を突きつけられたこと。かけがえのない仲間と出会い、そして別れたこと。
そのすべては、単なるゲームプレイではなく「心が動いた瞬間」の記憶として残っている。だからこそスーパーファミコンは、今なお多くの人の心の中に生き続けているのだ。


