■映像も不可解な謎もゾクゾク度高！『冥界へとつながる森』
続いては、不可解な現象が映った誕生祝いのビデオレターと、失踪した幸恵さんの謎を描いた３１巻収録の『冥界へとつながる森』を見ていく。
投稿主は、失踪した幸恵さんの母親。スタッフが話を聞くと、警察に行っても見つからず途方に暮れていたところ婚約者から映像を見せられたとのこと。夫は取り合ってくれず、番組を頼ったという経緯だった。
次に婚約者に話を聞くと、奇妙な話が浮かび上がる。映像の編集中に異変に気づき幸恵さんにメールで伝えたところ、映像を見ていないはずなのに「知ってるよ」と返されたというのだ。そして彼女はこの後に失踪する。
話は同じく３１巻収録の『続・冥界へとつながる森』に続くのだが、ここで同僚が登場し、失踪直前に公園で見知らぬ女性と話し込む幸恵さんを見たという。一体誰なのだろうか……。
そんな矢先、スタッフの元に婚約者から衝撃的な連絡が入る。幸恵さんが、九州のある森で「みんな死ぬ」という遺書を残して命を絶っていたというのだ。スタッフは婚約者に詳しい話を聞きに行き、山の調査を開始した。
すると、その山一帯はいわく付きで、冥界に繋がる場所と言われていたことが判明。幸恵さんも旅行で行った際に見入られてしまったということか。
ここで、問題の映像が映し出される。始めは幸恵さんが映されていたが、次第にノイズが混ざりだし森の映像に切り替わる。次に森の中を横切る女性が映り、幸恵さんに映像が戻ったかと思うと再び森の女性、しかも今度はカメラの前で奇妙に揺れ動き、アップになるというものだった。その顔はもやがかかったようにブレていて認識できない。
そして、謎を残したまま話は幕を閉じる。
女のピントの合わない顔が非常に恐ろしい本作。幸恵さんの死後の婚約者へのインタビュー中、後ろのすりガラスに半身の女が映り込むも、スタッフがそれに触れないというのもいい演出だ。
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