
6月から7月にかけて順次スタートしていく2025年の夏アニメ。80作以上の新作アニメが放送される今クールのアニメでは、『光が死んだ夏』『タコピーの原罪』など注目作が並ぶ中、続編が描かれる「2期もの」のビッグタイトルにも期待の声が上がっている。
いずれも前作で話題を集めた人気作であり、アニメファンならずとも要チェックなタイトルばかり。そこで2期が始まる前に、主要なタイトルをおさらいしたい。作品の魅力はもちろん、1期で描かれた物語や当時の話題性、そして2期の見どころまでをチェックしていこう。
※本記事は各作品の内容を含みます。原作未読の方はご注意ください。
オタクに優しいギャルはいる!? 『その着せ替え人形は恋をする』
1つ目に紹介するのは、福田晋一氏の同名漫画を原作としたアニメ『その着せ替え人形は恋をする』。
雛人形職人を目指す高校生・五条新菜(ごじょう わかな)と、コスプレが大好きなギャル・喜多川海夢(きたがわ まりん)の成長と恋模様が描かれる本作。2022年1月8日から3月26日にかけて第1期が放送され、同年のdアニメストアアワード「キュンキュンしたアニメ部門」では1位を獲得。その他、大手アニメ情報サイトの2022年冬アニメランキングでも上位を獲得するなど、放送終了から多くの視聴者に続編が待望されていた作品だ。
1期では、幼いころに受けた、「男のくせに雛人形なんて、気持ち悪い」という女の子の言葉がトラウマとなり、自身の特技を隠して生きてきた新菜に、海夢が「コスプレ」衣装の制作を依頼するところから物語が始まる。
ギャル特有の明るさと奔放さを持ちつつ、自分と他者の“好き”を尊重できる芯の強さを持つ海夢と、凝り性で職人気質な新菜。序盤は、まっすぐな海夢と奥手な新菜が対照的に描かれるが、海夢に喜んで欲しい一心でコスプレ衣装の制作に臨む新菜の姿に、海夢はやがて淡い恋心を抱く。一見ミスマッチな二人が、お互いの姿を見て成長し、恋をするさまに、視聴者も胸をときめかせたことだろう。
作品のテーマでもあるコスプレは、材料選びや制作手法、実際に衣装を着る際の注意点やポイントが細かく丁寧に描写されており、実際のコスプレイベントに参加するエピソードは感動必至だ。
原作5巻までが描かれた1期では、プロコスプレイヤーの乾紗寿叶(いぬい さじゅな)とその妹である乾心寿(いぬい しんじゅ)が登場。2025年7月5日から放送される2期では新たなキャラクターである姫野あまねの活躍や、1期から登場していた海夢のクラスメイトと新菜の交流がどう描かれるかが期待される。
そのほか、ハロウィンパーティでまたも急接近する二人や、文化祭イベントなど見どころたっぷりになりそうな2期。二人の関係性が少しずつ変化していく中で、恋心はどう動くか? 恋とコスプレが織りなす青春ラブストーリーの続きから、ますます目が離せない。
■夜を彩る極彩色『よふかしのうた』
続いて紹介するのは、コトヤマ氏の同名漫画を原作としたアニメ『よふかしのうた』の2期。2022年夏クールに放送された前作から3年ぶりの続編となる。
本作の主人公は、不眠、不登校が続く中学2年生の夜守コウ。暇を持て余し、誰にも言わずに初めて出かけた夜の街で、吸血鬼の少女・七草ナズナと出会うことから始まる異質なラブストーリーだ。
監督を務めた板村智幸氏は1期放送前に、「夜を魅力的に描く事を心がけた。親に隠れてこっそり夜の街にくり出したドキドキ感が伝わると嬉しい」とコメントしており、極彩色に彩られる夜の風景は本作ならではの魅力。
コウをはじめ、彼らが過ごす夜は空も街も色鮮やかに描かれており、テールランプや自動販売機の光、場面に応じて青や紫に塗られた宵闇色が、誰しもが経験したであろう「こっそり夜更かししたあの日」のワクワク感を思い出させてくれる。
1期では、コウとナズナのゆったりとした掛け合いが続き、桔梗セリ、本田カブラといった別の吸血鬼たちも登場。コウは「元々は人間だった」という吸血鬼たちの事情を知っていくが、第11話に偶然出くわした探偵・鶯餡子の登場を機に、物語の様相は一変する。
「吸血鬼は人間にとって害悪」と考え、コウに明確な意思をもって接触した鶯餡子。2025年7月4日よりスタートする2期では、鶯が探す「秋山昭人」との邂逅を機に、彼女の吸血鬼に対する意思が明確になるだろう。
そして予告編のPVでも語られた吸血鬼の弱点、それは“人間だったときの私物”。ナズナの過去を追う中で判明する意外な事実が、コウとの関係にどんな影響をもたらすのか? 鶯との対決も本格化が期待される2期。3年の時を経て帰ってきた魅惑の夜に、再び酔いしれたいところだ。