■モザイク必須の青春群像劇!『ぐらんぶる』
最後に紹介する作品は、2018年7月クールに1期が放送された井上堅二氏・吉岡公威氏の漫画を原作としたアニメ『ぐらんぶる』の7年ぶりの2期。
青い海、広い空、照りつける日差しと爽やかな大学生たち。スキューバダイビングをテーマにした、熱い夏が描かれた青春ダイビングアニメ!……と言いたいところだが、海に潜るシーンはざっと3~4割程度。メインとなるのは、屈強な男たちと、それに巻き込まれた女子たちが繰り広げる、露出多めな青春群像劇である。
大学進学を機に、伊豆にある叔父のダイビングショップ「グランブルー」へ居候することになった主人公・北原伊織。青春のキャンパスライフを夢見る伊織だったが、そこに待ち受けていたのは、野球拳で盛り上がる男たち……。
1期では伊織のほか、イケメンオタクの今村耕平、金髪ウィッグのケバ子こと吉原愛菜、ダイビングサークル「Peek a Boo」の先輩で、マッチョの大酒飲みな時田に寿など、クセ強な面々が登場し、スピリタス(度数96のアルコール)を用いた命がけの飲み会が行われたりと、ハイテンションな青春が展開される。
モザイク入りのシーンやギャグ、変顔は1分に1回ペースで差し込まれ、おバカばかりの、ある意味、息つく間もないストーリー。しかし、ケバ子をないがしろにするテニスサークル「ティンカーベル」のメンバーに対し、伊織と耕平が結託して赤っ恥をかかせるなど、胸が熱くなるようなエピソードも随所に登場した。
7月7日より始まる第2期からは、新たなキャラクターとして、伊織のバイト先の同僚・毒島桜子や、同じくバイト先の乙矢尚海らが登場する。個人的には、6巻で描かれた青梅女子学園祭での一幕を見たいところ。耕平の二次元愛をバカにする美女たちに、女子との交流を命よりも優先する伊織らが一矢報いるシーンに、どれだけふざけていても、友情だけは妙に熱い彼らの雄姿が感じられるはずだ。
その他、シャルピー衝撃試験における「憎しみ係数N」ははたして描かれるのか……彼らと同じ男性である筆者としては、固唾をのんで見守りたいところだ。いざコンプライアンスの向こう側へ……彼らの第2の夏に刮目せよ!
新作だけでなく、人気作の続編が揃う注目のクールとなった2025年夏アニメ。その他には『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』、『ぷにるはかわいいスライム』、『カッコウの許嫁』、『SAKAMOTODAYS』などの2期もスタートする。いずれも1期から高い支持を集めてきた作品ばかりで、2期では物語の展開やキャラクターの動きに大きな変化があるだろう。
見逃していた人も、この機会に1期をじっくり振り返りつつ、再び動き出す物語に浸ってみてはいかがだろうか。