■青春オカルティックバトル再び!『ダンダダン』
3つ目は、『少年ジャンプ+』で連載中の龍幸伸氏の漫画を原作としたアニメ『ダンダダン』。アニメ第1期は2024年10月から12月にかけて放送され、第2期は2025年7月3日からスタート。約半年という短いスパンでの第2期放送となる。
幽霊を信じる女子高生・綾瀬桃と、オカルト好きな男子高生・高倉健(通称・オカルン)。二人は次々に発生する怪現象や不可解な事件に巻き込まれながら、やがて同級生のアイラ、ジジとともに奇妙な怪異たちに立ち向かっていく。
本作で敵、または共闘相手として登場する怪異は、1952年にアメリカ・ウェストヴァージニア州で目撃された「3メートルの宇宙人」がもとになったであろう、フラッドウッズモンスターや、兵庫県に伝わる都市伝説「ターボばあちゃん」が由来となったと思われるターボババアなど、オカルトをモチーフとしたキャラクターが多数登場。迫力のアクションシーンは圧倒的な画力で描かれ、ギャグシーンは軽快なテンポで展開される。
1期のラストでは、新たな仲間(?)のジジが登場した。いつの日か霊が見えるようになり、毎晩怪異にうなされ不眠になっているというジジの悩みの原因を探るべく、彼が住む「呪いの家」を調査することになった桃とオカルン。しかし、温泉に入っていた桃を襲う謎の男たちと、お札が張り巡らされた空間を見つけたジジとオカルン……というシーンで1期は終了しており、否が応でも2期が気になる締めくくりとなった。
2期では、桃・オカルン・ジジが調査する土地にまつわる「大蛇伝説」の真相が明らかになる。
新たな怪異など、たび重なる脅威に桃とオカルンはどのように立ち向かうのか? 新キャラクター・満次郎や、1期で登場したシャコ星人、星子らも一堂に会したバトルシーンにも注目したいところだ。
■夢破れた32歳が大活躍!『怪獣8号』
同じく『ジャンプ+』では松本直也氏による漫画を原作とした『怪獣8号』の2期も注目だ。2021年の「次にくるマンガ大賞」でWeb部門1位を受賞し、アニメ1期は2024年4月クールで放送された。怪獣のデザインは、『シン・ゴジラ』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』でも知られる株式会社カラー協力のもと制作され、戦闘シーンはカメラワークも相まって、迫力のある演出が際立っている。
主人公は、怪獣を討伐する「日本防衛隊」への入隊を希望する日比野カフカ、32歳。入隊テストに落選し続け、怪獣専門清掃業で働くも、幼なじみの亜白ミナや、防衛隊員を志す市川レノとの出会いを機に、再び夢を追うことになる。しかしそのさなか、謎の小型怪獣に寄生され自身も怪獣に変身してしまい、「怪獣を討伐する怪獣」として生きていくことになる。
カフカは「夢破れた32歳の大人」という、少年漫画では比較的めずらしい主人公設定だ。しかし、日本防衛隊長官の娘・四ノ宮キコルのピンチに颯爽と現れ、「よく頑張ったな!」と言いながらワンパンで敵を撃破したり、怪獣10号襲撃による第3部隊全滅の危機を防ぐべく、自身の正体がバレることも顧みずに敵に向かっていくなど、ジャンプ作品特有の真っすぐなヒーロー性が垣間見える。
1期では、防衛隊選抜テスト、人語を操る謎の怪獣9号との戦い、怪獣であることが露呈し、拘束されたカフカの行く末が中心に描かれ、からくも処分を免れたカフカは、日本防衛隊の戦力として運用されることが決定する。
2期では日本最強の対怪獣戦力・鳴海弦が隊長を務める第1部隊に配属され、再び怪獣討伐に繰り出すカフカたちの戦いが描かれる。戦闘、そしてキャラたちの人間模様も見ごたえがありそうな2期に期待が高まる。