
『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)が現在放送中。初代『機動戦士ガンダム』のIF展開を描いた仮想戦記として大きな話題を呼んでいる作品だ。
本来、民間人のアムロ・レイが乗り込むはずだった「RXー78ー2 ガンダム」を、ジオン公国軍の“赤い彗星”ことシャア・アズナブルが奪取するというIF展開が描かれている。
その結果、『ジークアクス』の世界では、初代『ガンダム』の主要人物の立場や役割が大きく異なったり、登場メカの設定が変更されたりしている。
そして、作中に登場した有名な機体や、艦艇に誰が乗っていたのか明かされないこともあり、視聴者の妄想をかき立てる場面も多い。
そこで初代『ガンダム』を知っている視聴者が「あれは誰が乗っていたのだろう?」と疑問に感じた機体をピックアップ。登場した場面や置かれた状況、過去の作品での設定などを踏まえ、『ジークアクス』での搭乗者を推察してみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■シャアのガンダムと激闘を展開した「01ガンダム」のパイロットは?
『ジークアクス』第2話では、ジオンに奪われた「白いガンダム」と「ペガサス級強襲揚陸艦」の奪還、もしくは破壊の目的で地球連邦軍が待ち伏せを行う場面があった。
このときシャアは「ワッケインにしては対応が早い」とつぶやいており、連邦の拠点である「ルナツー」からワッケイン司令が差し向けた戦力だと思われる。サラミス級の宇宙巡洋艦、鹵獲したザク、そして「01(ゼロヒト)ガンダム」が出撃していた。
01ガンダムの形式番号は「RXー78-01」。これは初代『ガンダム』における「プロトタイプガンダム(RXー78-1)」とほぼ同じものである。初代『ガンダム』では、ジオンのザクがサイド7を襲った際に破壊された機体とされている。
『ジークアクス』に登場した01ガンダムは、シャアが乗るガンダムと互角の激闘を展開する。シャアの放ったビームライフルを何発も回避。バズーカを多用しつつ、残弾がなくなるとそのバズーカを躊躇なく相手に投擲してみせるなど、相当な手練れが搭乗していたと思われる。
最終的にはシャアのガンダムに敗れはしたが、この独特の戦法を見た多くのファンが「01ガンダムのパイロットは、実はアムロだったのではないか」と妄想した。
ガンダムの生みの親である富野由悠季氏の小説『機動戦士ガンダム』(KADOKAWA)では、テレビアニメ版とは違い、アムロは物語冒頭から地球連邦軍に所属する軍人として描かれている。こちらの設定が『ジークアクス』に活かされているのであれば、ルナツーから出撃したモビルスーツにアムロが搭乗していても不思議はない。
また初代『ガンダム』の作画監督を務めた安彦良和氏によるコミック『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(KADOKAWA)には、01ガンダムと同じ形式番号の機体「ガンダム試作機1号」が登場。そのパイロットだった地球連邦軍のヴェルツ大尉もパイロット候補として考えられる。
そのほか、「赤い彗星」にマヴを撃墜されたことが明かされたシイコ・スガイの元マヴのパイロットも候補に入るかもしれない。
なお、01ガンダムの脱出機構の有無などは明らかにされていないが、劇中でシャアのガンダムに頭部を斬られたあと、一拍置いて01ガンダムは爆散していた。それを深読みするならパイロットは鹵獲を恐れて機密を守るためにあえて自爆させ、パイロット自身は生き延びた可能性も考えられる。
もしそうであれば、『ジークアクス』で連邦の撃墜王として知られるシイコが乗っていた可能もゼロではない。劇中でシイコは「戦争に負けても私は負けてない」と発言していた。そのセリフは「機体は爆散しても私は死んでいない」という意味にも聞こえ、彼女が赤いガンダムに異様なまでに執着した理由もそこにあった、という見方もできないだろうか。