■若手刑事としてもイケメンぶりは健在…天野浩成
2008年にWii用ソフトとしてセガから発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』は、渋谷の街を舞台に繰り広げられるある事件に5人の主人公たちが巻き込まれていくサスペンスストーリーだ。
作中には前述した『街』の10年後であることを示唆する小ネタがあったりと、前作を知っているとよりいっそう、楽しめる作りとなっている。
本作で主人公の一人である新米刑事・加納慎也を演じたのが、2004年の『仮面ライダー剣』橘朔也役でブレイクし、数々のドラマなどに出演していた天野浩成さんだ。
甘いマスクで多くのファンを魅了する天野さんだが、そのイケメンぶりはゲーム内でも健在。さらさらの長髪でスーツをビシッと着こなし、新米刑事として果敢に事件へと立ち向かう姿が印象的だ。
加納は強い正義感に突き動かされる一方、ときに感情的になる未熟な部分も残っており、さまざまな顔を見せてくれる魅力的なキャラクターだ。カッコ良さとコミカルさが入り乱れた天野さんの若手刑事姿は必見である。
■誰しもを魅了するまさに名脇役…田中要次
『428 〜封鎖された渋谷で〜』は5人の主人公のみならず、彼らを影ながら支える個性豊かな脇役たちも魅力的だった。
なかでも、主人公らのサポート役として凄まじい存在感を放っていたのが、自身も監督として短編作品を世に送り出している田中要次さんである。
ドラマ『HERO』(フジテレビ系)に出演し、短いながらも個性的な名セリフ「あるよ」で人気を博した田中さん。本作ではタクシー運転手の君塚八郎として、渋谷の街に登場した。
一見すればチョイ役にも思える君塚だが、ことあるごとに主人公らのピンチに駆け付けたりと、予想外の立ち回りで物語を盛り上げる。
ちなみに田中さんは自身のブログのなかでも『428』について触れており、運転席からカメラに人差し指を向け、びしっと決めた君塚の写真を載せていた。
タクシー運転手でありながら、立ち絵やちょっとした表情に独特の渋さやカッコ良さを感じさせるのは、田中さんならではのものだろう。
さまざまな人物の思惑が巧妙に入り組んだシナリオと、実在する街を舞台にしたリアルな画像でプレイヤーをひきこむ『街』、そして『428』。
ほかにも『街』には竜雷太さんや団時朗さん、ダンカンさん、谷山紀章さん、北陽の伊藤さおりさん、『428』には大塚明夫さん、なすびさん、須賀健太さんらが出演していた。サウンドノベルゲームとしての完成度の高さはもちろん、今をときめく名優たちの当時の姿を垣間見ることができるのも、作品の大きな魅力と言えるだろう。
ちなみに「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」では、過去作に登場したあらい正和さんや北上史欧さんの出演がすでに決まっているという。ほかにどんな俳優が登場するのか……新たな名作に期待せざるをえない。