
今年4月、ストーリーテリングの代表取締役であるイシイジロウさんと、脚本家・北島行徳さんが「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」を立ち上げ、大きな話題を呼んだ。
このプロジェクトは、新作の実写アドベンチャーゲームの開発と発売を目指すもので、現段階でクラウドファンディングは目標金額の428%を突破する(6月9日時点)など、ファンの期待が見て取れる。
イシイさんはこれまでも『街 』や『428』など、渋谷を舞台としたゲームに携わってきた。実はこれらの作品には、私たちがよく知る俳優たちが数多く登場していたことをご存じだろうか。今回は、この機会に『街』『428』で活躍した俳優たちを振り返っていきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■キャラクターとマッチした姿は必見…窪塚洋介
1998年にセガサターン用ソフトとしてチュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)より発売された『サウンドノベル 街 ーmachiー』(PS版は『街~運命の交差点~』)は、異なる背景を持った8人のシナリオが、実写を用いた静止画によって描かれた作品だ。
本作にはさまざまな俳優が起用されたが、今回紹介したいのは、のちに数々のドラマ、映画で活躍することになる窪塚洋介さんだ。今や誰しもが知る名優の一人だが、当時はまだブレイク前で、ゲーム内では「ヨースケ」名義で名前が記されている。
窪塚さんが演じた青年・サギ山は、脚本家を目指し助監督として活動している若者だ。しかし、独特の現場に馴染むことができず、早々に夢を断念しかけるなど、社会人として未成熟な一面を覗かせるキャラクターである。
若き日の窪塚さんの姿は、彼が演じるサギ山のキャラクター性と実に高い親和性を発揮していた。
この後、窪塚さんが俳優として大きく躍進していくことになるとは、当時のプレイヤーたちは予想だにしなかったのではないだろうか。
■先輩刑事役はまさかの有名声優!? ゆきのさつき
『サウンドノベル 街 ーmachiー』には、実はのちに数々の作品で活躍する有名声優が俳優として出演している。それが『きこちゃんすまいる』二の宮きこ役や、『犬夜叉』日暮かごめ役で知られる、ゆきのさつきさんである。
声優として卓越した演技力を発揮しているゆきのさん。当時は「雪乃五月」名義で活動しており、ゲーム内では「オタク刑事走る!」のシナリオでヒロインとして活躍する女性刑事・麻生しおりを演じている。
麻生は主人公の一人である若手刑事・雨宮桂馬のバディとして活躍する女性で、熱い思いゆえに暴走しかける雨宮を先輩として絶妙にコントロールしていく。
ゆきのさんは実写作品への顔出し出演がほぼないため、当時、麻生が彼女だったということは、知る人ぞ知る事実かもしれない。
作中では非常に出番も多く、雨宮とともに難事件へと挑んでいく。「俳優・雪乃五月」としてのレアな姿を、ぜひともご自身の目で確かめてみてほしい。