■アニメタッチのメインビジュアルやサウンドのクオリティが印象的
さて、『影の伝説』は個人的にとても好きだったゲームです。アーケード版があるのは知っていましたが、最初に遊んだのはファミコン版のほうでした。忍者の主人公が手裏剣や刀を武器に、1面では林の中で戦い、2面では水遁の術で水中に潜って、3面では城壁を登り、4面では城の中で戦って、さらわれた姫を助けます。
1周終わると2周目がはじまるんですけど、当時は何周もループできるほど極めていましたね。
後になってアーケード版をプレイしましたが、ピコピコ音のファミコンに比べて、サウンドのクオリティがスゴかったのが印象的でした。タイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」の、小倉久佳さんの初期の作品になるんですね。
そうそう、この箱の絵、タイトーのレーザーディスクゲーム『忍者ハヤテ』(1984年)と似ていると思いませんか? 『忍者ハヤテ』は、レーザーディスクのアニメーションに合わせて、レバーやボタンを入力するゲームで、作画を担当していたのは本物のアニメーターさん(※)でした。当時『影の伝説』を見て、『忍者ハヤテ』と同じ主人公なのかと思ったくらい似ているんです。私は、同じ方がキャラクターデザインを手がけたと見ていますが、はたしてどうでしょうか。
(※我妻宏さん:名作アニメ『一休さん』のキャラクターデザインも手掛けたアニメーター)
※ソフトの値段や状態などは2025年4月のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。