ファミコン初期の大ヒット作『ドラゴンボール 神龍の謎』、めったに出会えない「超高額」バージョンとは【ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」】の画像
ファミコン『ドラゴンボール神龍の謎』(バンダイ)  (C)BIRD STUDIO/SHUEISHA・FUJI TV・TOEI ANIMATION (C)BANDAI 1986

 ファミコンゲームボーイスーパーファミコン――。懐かしのオモチャというだけでなく、数万円から数十万円の値段がつくこともある“コレクターズアイテム”としても注目されている「レトロゲーム」の世界。そんな名作ソフトがズラリと並ぶ東京都・吉祥寺にある『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、自身の思い出や裏話を交えつつ、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、吉祥寺店のショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは――?

■めったにお目にかかれない!? 『ドラゴンボール』初のファミコンソフト

『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』大竹剛店長 (写真/ふたまん+編集部)

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第3回

 

 『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回ご紹介するのは、ご存知『ドラゴンボール』初のファミコン用ソフト『ドラゴンボール 神龍の謎』(バンダイ)。アニメ第1作目が放送中の、1986年11月にリリースされています。

 現在、当店では、箱と取扱説明書が揃った完品で49500円(税込)の値札を付けている物があります。そうかと思えば、同じ完品なのに13200円(税込)で買える物もあります。この差はいったいなんだと思いますか?

 実は、高いほうは1991年に再販された「復刻版」なんです。1991年というと、すでにスーパーファミコンが発売されている“ファミコン末期”。1986年発売の通常版より、圧倒的に出荷本数が少ないため、プレミア価格となっているんです。ちなみに、バンダイのファミコンカセットは、この『ドラゴンボール 神龍の謎』を含む7タイトルが同時に復刻されているのですが、いずれもめったにお目にかかれません。

 そのうちの1本が『聖闘士星矢 黄金伝説』です。余談ですが、昨年夏に当店がリニューアルした際、全国の店舗から集めたレトロゲームを並べたんですけど、その中にこのソフトの復刻版が紛れていたようなんですね。

 しかも、通常版の値付けがされていたのを、どなたかが“発見”して買われていった。実はどうやら、SNSか動画サイトに誰かがアップした店内の映像を見て、「あ、これは復刻版だ!」と買いに来たらしいんですよ。 

 ハードオフ各店では、たまにこうした夢のある買い物ができると、マニアの間で評判です(笑)。

■外箱に貼られた金色のシールが目印。偽物との見分け方は?

 通常版との違いとしてわかりやすいのは、外箱に「完全復刻!」というシールが貼ってあるかどうか。今手元にある商品をよく見ると、そのシールが剥がされかかっているんですよ。買取依頼をされた方は、復刻版のほうが価値が低いって思ったのかもしれませんね。普通に考えれば、初版のほうが価値がありそうですからね。よくぞ踏みとどまってくださいました(笑)。

 ゲームコレクターの友達に聞いたんですが、このシールを偽造して通常版に貼った偽物が、オークションサイトなどで出回っているんだそうです。ただ、シール以外でも、通常版と復刻版とでは、外箱に書かれたバンダイお客様相談センターの住所などの表記が違うので、そこで見分けることが可能です。たとえば、通常版では“東京・大阪・名古屋”なのが、復刻版では“関東・関西・中部”になっていたりします。

 もし、箱自体が偽造されていたら、それには気付くと思います。箱や取扱説明書って、意外と似せるのが難しいんですよ。これに関しては、また別のレトロゲームを紹介するときにお話しましょう。

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