■新進気鋭の俳優と実力派俳優が揃い踏みの2011年版
多くの女性視聴者の目を釘付けにした初代作からわずか4年後の2011年には、より原作に沿ってリメイクされた『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』の放送がスタート。今回の主人公・芦屋瑞稀役は前田敦子さんで、脇を固める俳優陣には当時売り出し中の俳優たちが集結した。
佐野泉役に挑んだのは中村蒼さんだ。中村さんは、2005年にジュノンスーパーボーイコンテストで史上初の中学生グランプリに輝き、翌年に俳優デビューを果たした。2009年のドラマ『無痛〜診える眼〜』(フジテレビ系)で、俳優魂を見せてスキンヘッドに挑戦したことも記憶に新しい。佐野は前作の小栗さんのインパクトが強いこともあり難しい役となったが、中村さんはこれまでの経験を生かして自分ならではの佐野泉を好演したと言えよう。
同じくジュノン出身の俳優では、中津役の三浦翔平さんも印象的だった。すでに『ごくせん』(日本テレビ系)や映画『THE LAST MESSAGE 海猿』などでキャリアを積んでいた三浦さん。『海猿』では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しており、多方面から高い評価を受けていた。同作でも、他の生徒たちをうまく巻き込みながら安定感のある演技を見せている。
また、偶然にも仮面ライダー出身者同士の配役になった難波南にも触れておきたい。今回演じていたのは、2009年に『仮面ライダーW』で主人公・左翔太郎を演じた桐山漣さん。難波も佐野同様に前作のインパクトが強いが、桐山さんは「水嶋くんを意識すると真似事になってしまうので原作の方を意識した」と意気込みを語っており、原作らしい難波を再現していた。26歳で高校生を演じる点にそこまで違和感がないのも凄いことである。
そんな俳優陣の中で、オスカー・M・姫島を演じた徳山秀典さんは異彩を放つ存在だった。
『GTO』の依田ケンジ役や『仮面ライダーカブト』の矢車想役など、1995年から数多くの作品に出演してきた徳山さんは誰よりも経験値が高め。オスカーというぶっ飛んだ役柄も見事に自分のものにし、その飛びぬけた姿で視聴者の目を釘付けにしている。
さらに、驚きのキャスティングだったのが淡路圭介を演じた間宮祥太朗さんだ。2008年のデビュー以来、コツコツと経験を積んでいる最中だった当時の間宮さん。まだ知名度が高いわけでもなかったが、作中で見せる爽やかな笑顔に惹かれ、注目していたという人も多いだろう。
2代目というのはどうしても初代と比較されてしまうもの。とはいえ、『イケパラ』はそれぞれの色を出しながら適度に差別化を図っている。今回のトレンド入りをきっかけに、作品ごとの違いを楽しみながらイケメンだらけの2つの世界を堪能してみてはいかがだろうか。