■ホラーゲームは「心の冒険」
プレイを重ねるうちに、敵の動きや弱点がわかってくる。立ち回りを工夫すればノーダメージで突破できる。小回りの利くハンドガンに、ピンチの時のショットガン、敵の群れが押し寄せるときのグレネードなど、武器を使い分けることで、自分なりの戦術がハマり、その瞬間が楽しくてたまりませんでした。
舞台は村から古城、孤島へと変わり、敵の種類もギミックもどんどん進化していきます。でも私は、それに食らいつくように挑み続け、ついにゲームをクリアしたのです。
中学生の頃は、先輩から嫌がらせを受けたり、陰口を言われたりと、小学校に続き、またしても胃がキリキリするような経験をしていましたが、
「私は中学生で『バイオ4』をクリアしたんだ。あんな恐怖を乗り越えた私が、こんなことで折れるはずがない」
そう思えたのです。死と隣り合わせのシーンを何度も乗り越えた経験が、確実に私の心を強くしていました。
レオンのように、どんな場面でも冷静に、時にはユーモアを忘れず、しなやかに乗り越える。私もそんなふうに、少しだけ強くなれた気がしたのです。
とはいえ、次のホラーゲームでは「やっぱ怖いわ!」ってなるのも、あるあるですよね(笑)。
でもいいんです。怖いものに立ち向かうことで、自分に自信がつき、逃げずに、震えながらでも前に進む。ゲームを通して、そんな自分に出会えました。
ホラーゲームはただの娯楽ではなく、私にとって「心の冒険」であり、踏み出す強さを与えてくれる存在です。
しかし、誰でも気軽にプレイできるジャンルではないので……その恐怖につい「泣けるぜ。」とこぼしてしまうかもしれません。
【プロフィール】
宇内梨沙(うないりさ)
ポップカルチャーを心から愛する元アナウンサー。2015年、TBSテレビに入社。アナウンサーとして多数の番組を担当する一方、ラジオやYouTubeなどでゲーム偏愛を披露。2025年にTBSを退社し、現在は『Twitch』でゲーム配信者として活動中。