
『スーパーロボット大戦』シリーズの最新作『スーパーロボット大戦Y』(バンダイナムコエンターテインメント)が、2025年8月28日に発売される。前作『スパロボ30』から約4年ぶりとなる待望の新作発表に、多くのファンが沸いた。
その発売を心待ちにするファンのなかには、過去の作品を遊んで懐かしむファンもいることだろう。
そんな『スパロボ』シリーズを象徴する攻撃要素に「マップ兵器」と呼ばれるものがある。マップ上の広範囲に対して一度に強力な攻撃を行う攻撃手段であり、反撃を受けることなく一方的に打撃を与えられるものだ。
ただし、発射するための条件が厳しかったり、味方の機体を巻き込む危険性があったりと、使いどころには工夫が必要だったのも特徴だ。
そんなマップ兵器のなかには、チートレベルの圧倒的な破壊力を秘めたものも存在した。そこで『スパロボ』シリーズにおける「バランスブレイカー」ともいえそうな、あまりにも強力すぎたマップ兵器を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■開発陣もやりすぎを認めた「超兵器」
2004年に発売された『スーパーロボット大戦MX』には、OVA『冥王計画ゼオライマー』の主役機「天のゼオライマー」が登場。同機が使用するマップ兵器「メイオウ攻撃」は、比較的難易度が低めだった『スパロボMX』を楽勝レベルまで簡単にしてしまうほどの存在といわれている。
天のゼオライマー最大の必殺技であるメイオウ攻撃は、自機を中心とする広範囲に高威力の一撃を放つマップ攻撃。その威力は、単体攻撃としては最強クラスのゲッタードラゴンによる「シャインスパーク」にも匹敵する値となっており、マップ兵器としては破格の威力を誇った。
しかも、天のゼオライマーはパイロットが二人のため、戦闘を優位に進められる「精神コマンド」も充実。2回行動が可能となる「覚醒」が続くかぎり、「攻撃後に移動可能」な「ヒット&アウェイ」の特殊技能とあわせて、単騎で敵戦力を殲滅することも夢ではなかった。
『スパロボ』シリーズのプロデューサーを務める寺田貴信氏は、ネットラジオ「スパロボOGラジオ・うますぎWAVE」第697回のなかで、このメイオウ攻撃について「原作再現で設定したら、やりすぎた」と語っていた。
ファンのあいだでもメイオウ攻撃の強さは語り草になっており、その後に作られた『スパロボ』作品に強力なマップ兵器を持つ機体が出るたびに「今作のメイオウ枠」と呼んでいたほどだ。
筆者もメイオウ攻撃にはお世話になったが、周回プレイの際は「1マップ1メイオウまで」と自ら縛りを設けていたことを思い出す。
■スパロボ史上最強のマップ兵器!?
1998年に発売された『スーパーロボット大戦F完結編』や、2005年に発売された『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』などに登場する『伝説巨神イデオン』の巨人人型メカ・イデオンが使用する「イデオンガン」は、おそらく『スパロボ』史上、最強クラスの攻撃範囲の広さと圧倒的な威力を持つマップ兵器だろう。
その攻撃は自機から前方に扇状に広がっていき、射程は「無限大」となっている。よってマップ上に存在するほとんどの敵を一度に攻撃することが可能。さらに威力は「9999」となっている。
ただし『スパロボF完結編』の場合、発射にはイデオンが暴走する危険性がつきまとい、万が一暴走すると敵味方を巻き込むかたちでマップ兵器を放つ可能性がある。また『第3次スパロボα』では自機のHPが一定値以下まで減らなければ発射できなかった。
こうした条件をクリアして放ったときのイデオンガンの威力は絶大で、とくに「小隊システム」が採用された『第3次スパロボα』では一撃で倒せる敵機の数が跳ね上がった。
今後これほどの破壊力を秘めたマップ兵器は登場しないかもしれないが、それだけ多くの敵を一掃してしまうイデオンガンがもたらす爽快感は忘れられない。