■元は人間…悲劇のポケモン「デスマス」&「デスカーン」
ポケモンの中でも、トップクラスの悲しいルーツを持つポケモンといえば『ブラック&ホワイト』で初登場した「デスマス」だろう。というのも、このポケモンは「古代の墓に埋葬された人の魂から生まれた」というショッキングな設定があるのだ。
しかも、尻尾の先についているデスマスクは自身が人間だったときの顔を模したもので、生前の記憶が残っているために、デスマスクを見つめてはときどき泣いているという設定。『ソード&シールド』の図鑑では、「夜な夜な遺跡をさまよう。もっているマスクは人だったころの自分の顔だという。」「古代人の魂がポケモンに なった。自分の顔を知る人を探し遺跡をさまよう。」と元人間ポケモンの悲しい行動が記載されている。赤い目の際にある涙のような模様も、そんな背景を知ってから見るとより切ない。
ちなみに、デスマスクの代わりに粘土板を持っている“ガラルのすがた”は、『ソード』の図鑑で粘土板が逆にデスマスに憑りついている状態だということが明かされている。
さて、そんな悲劇のポケモン・デスマスが進化すると、ツタンカーメン柄の棺桶に鋭い目と黒い手足がついた個性的なフォルムのかんおけポケモン「デスカーン」になる。
デスカーンの棺桶の中は空洞のようで、『ブラック&ホワイト』の図鑑には近づいてきた人や墓ドロボウを体の中に閉じ込めてミイラにしてしまうと書かれている。ミイラにされて死ぬのは恐ろしいが、古代王の墓の守護神としては頼りがいが抜群だ。
また、デスマス同様にデスカーンももともとは人間だが、『ソード』の図鑑説明で「もはや人間だったことは思い出すことはないという」と衝撃の事実が判明している。進化を経て完全にポケモンになったということなのだろうが、デスマスのことを考えると王様の富の象徴となった今の姿のほうが幸せかもしれない。