■全員が主役級!豪華すぎるキャスティング
同作のもう一つの魅力は、豪華なキャスティングにある。メインの萩原聖人さんと木村拓哉さんは言わずもがな、特に木村さんはファッションの着こなしや、「ハイライト」をクールに吸う姿が当時の若者たちの間で大流行した。確かに、エアロレザーにスウェット、チノパンのコーデは今でも色褪せないかっこよさだ。
守を演じるEBIさんはバンド「ユニコーン」のベーシストで、同作が俳優デビュー。回想では初出演ながら安定した演技を披露しており、ファンにとって同作は演者としてのEBIさんが見られる貴重な作品となっている。
女性キャストも豪華だ。たとえば、当時トレンディドラマに引っ張りだこだった鈴木杏樹さん。木村さん同様『あすなろ白書』にも出演し、2年連続CM女王に輝くという、まさに90年代を代表する女優である。
深津絵里さんは同作の後に『最高の片想い』で主演を務め、『踊る大捜査線』で一気に開花していく。今回、本作を再視聴した筆者は、深津さんの外見が現在までほぼ変わっていないことに最も驚かされてしまった。
武志に一目惚れする村松千鶴子を演じたのは遠山景織子さんだ。当時19歳の遠山さんは93年の映画版『高校教師』で新人賞を総なめにしており、同作での恋敵役も注目を集めた。ちなみに、一番印象に残っているのは苦手な逆上がりのシーンなのだとか。
さらに、圭介が恋した沖野里見役には『恋しさとせつなさと心強さと』でスマッシュヒットを記録した篠原涼子さんが抜擢されている。2話〜5話と短いながらも、存在感は強かった。
忘れられないのが、亮子の恋人・山崎慎介を演じた大沢たかおさんと、登場シーンこそ少ないが重要な役どころとなるミチオを演じた井ノ原快彦さんである。井ノ原さんはジャニーズJr.ながらすでに『お金がない!』や『アリよさらば』などの名作ドラマに多数出演していたが、大沢さんは同年に『君といた夏』で俳優デビューしたばかり。これだけのビッグネームがそろったドラマは珍しいと言えよう。