「深津絵里の美貌がヤバイ…」ブレイク前の人気俳優もズラリ『若者のすべて』の衝撃的ラストシーン【激レア名作ドラマ発掘隊】の画像
(上段左から)木村拓哉、深津絵里(下段左から)篠原涼子、鈴木杏樹(写真/ふたまん+)

 1990年代のフジテレビ系「水曜劇場」では、織田裕二さんの『振り返れば奴がいる』に山口智子さんの『王様のレストラン』、江角マキコさんの『ショムニ』などなど、さまざまなジャンルの名作ドラマが次々と放送されてきた。1994年10月にスタートした『若者のすべて』もその一つ。人生の困難に直面しながらも、夢を追い求めてもがく22歳の若者たちを描いた同作は、大ヒットを記録している。

 Mr.Childrenの主題歌『Tomorrow Never knows』も世界観にマッチし物語をさらに盛り上げていたが、残念ながら同作は、Blu-rayBOXこそ発売されているものの、長らく再放送もサブスク配信もされていない、意外にも視聴困難なドラマとなっている。今回は、そんな名作ドラマ『若者のすべて』を振り返ってみよう。

■それぞれの悩みと想いが交差する若者

 『若者のすべて』の魅力は、未来への希望と現実との狭間で揺れ動く若者たちの心模様にある。主人公の哲生(萩原聖人さん)は、事故で亡くなった親の跡を継ぎ借金に苦しみながら自動車修理工場を経営する22歳。さらに、親の死を機に心を閉ざした妹・妙子(山口紗弥加さん)を育てる苦労人である。そんな哲生には、学生時代から仲の良いメンバーがいた。

 父と同じ医者を目指しながらも4浪中で将来に迷う青柳圭介(武田真治さん)、信用金庫で働きつつも女優を夢見て劇団に通う水沼亮子(深津絵里さん)、同僚の堀と婚約中のOL・崎山薫(鈴木杏樹さん)。そして、哲生とは悪友でもある上田武志(木村拓哉さん)と吉田守(EBIさん)だ。

 物語は、武志と守が哲生を助けるために裏の仕事に手を出し、その結果、守が暴力団に襲われ意識不明の重体になってしまうところから始まる。負い目を感じた武志は、仲間たちの前から姿を消してしまう。

 事件の詳細を知らない哲生らは、守の病室に通い言葉をかけ続けていた。だが、実は武志もまた隠れて会いに行き、アルバイトで稼いだ給料をこっそりと置いていたのだ。そこから2年がたったある日、武志は仲間たちと偶然の再会を果たすが、過去に犯した自分の罪の意識からうまく溶け込めずにいた。

 同時にその頃から、哲生は妹が施設に行ったことで自暴自棄に。また、武志を想っていた薫は婚約者に関係を疑われ婚約破棄され……と、それぞれに問題が起こり始める。しかし、武志の叱咤激励で哲生が吹っ切れたことをきっかけに、仲間たちの交流も再開していく。

 同作の若者たちは、それぞれ性格も生きざまも背負っているものも違う。視聴者はそんな彼らに自分の人生を重ねながら作品の世界に没頭するのだ。自分が22歳のとき、彼らのように人生に一生懸命になっていただろうか、と考えながら再視聴するのも楽しいかもしれない。

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