
『ドラゴンクエスト』シリーズには、王族以外にとてつもない資産を持つ民間人のお金持ちが存在する。彼らは時に主人公たちの冒険を大きく左右する存在でもあり、もしも出会わなかったら冒険は詰んでしまっていた可能性もあるほどだ。
さて、そんな『ドラクエ』シリーズにおける大金持ちの民間人が残した功績はどのようなものだったのか、さっそく見ていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■結婚イベントだけじゃない? 主人公の冒険には欠かせなかった大富豪「ルドマン」
『ドラクエ』の大金持ちといえば……やはり『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に登場する大富豪・ルドマンが筆頭ではないだろうか。
彼はサラボナの町に豪邸と別荘を所有し、豪華なカジノ船まで手に入れ、経営している。娘のフローラは美しく優しい気品あふれるお嬢様で、もはや人生の勝ち組といえるだろう。
そんなルドマンは、フローラとビアンカで揺れる「結婚イベント」の発起人であり、多くのプレイヤーを悩ませるきっかけを作った男でもある。
さらにルドマンは、主人公たちの冒険に大きくかかわっていた。結婚イベントはもちろんのこと、結婚後は船を貸してくれるし、家宝である「てんくうのたて」までくれるのだ。彼と出会っていなければ、冒険はもっと困難を極めたはずだ。
しかも青年期後半に、主人公たちはルドマンにブオーン退治の依頼をされ、ブオーンに勝つと「さいごのかぎ」をゲットできる。これは母・マーサがいる魔界に行くためには必須のアイテムだ。
さらに魔界に行く際には「ほのおのリング」と「みずのリング」を海の神殿で捧げる必要があるのだが、これも結婚式のときにルドマンから回収を依頼されていたという偶然が起こっている。
まさに彼がいなければ、主人公の冒険は詰んでいたのは間違いないだろう。
■石化した主人公を守り神として祀った「ジージョの父」
『ドラクエ5』では石化した主人公がオークションに売り出され、2000ゴールドで金持ちの家に引き取られた。この金持ちはグランバニアの南東にある孤島に大きな屋敷を持つ男で、生まれたばかりの息子・ジージョがいる。
ジージョの父は、主人公を守り神として屋敷の庭に飾る。ただ、プレイヤーは石化して動けないため、ジージョの成長を見守ることとなる。
だんだんと大きくなるジージョを見ながらプレイヤーは石化した期間が長いことを悟るのだが、ある日、ここへ魔物が襲来。あっという間にジージョはさらわれてしまうのだ。
ジージョの父は息子の行方を探そうとするも、情報すら入ってこない。それもそのはず、さらわれた子どもたちは大神殿に連れていかれ、一般人にはたどり着くことはおろか、情報をつかむことなんてできなかったのだろう。
息子が見つからず憤ったジージョの父は、主人公の石像に八つ当たりをして倒してしまう。そして石像は横たわったその状態で移りゆく四季を過ごすことになるのだ。
その後、サンチョと主人公の子どもたちがここを訪れ「ストロスの杖」で石化を解除することに成功。そして大神殿で光の教団の教祖・イブールを撃破すると、以前、一緒に石化された妻も戻ってきて、さらにジージョも解放され両親の元へと帰っていくこととなる。
あのとき怒りに任せて主人公の石像を壊していたら? 世界が救われていないだけでなくジージョも助かっていなかっただろうから、めでたしめでたしである。
八つ当たりされたとはいえ、主人公はジージョの父に買い取られてよかったのだろう。まあ、2000ゴールドは「はがねのつるぎ」と同価格なので、もっとお金出しても良かったんじゃ……とは思ってしまうが。