「ぜ…全滅だと!?」HD-2D版『ドラゴンクエストIII』ファミコン版経験者を焦らせた「強くなりすぎ」モンスターたち

　２０２４年１１月１４日に発売され、大ヒットを記録したＨＤ－２D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』（スクウェア・エニックス）。久々のリメイク作を堪能し、子どもの頃にファミコンで夢中になって遊んだ記憶を思い出したファンも多いのではないだろうか。

　かくいう筆者もそのプレイヤーのひとり。いろいろ変化した部分はあったが、全体的に敵モンスターが強化されていたことに驚きがあった。

　味方の特技などの追加もあってか、敵のステータスは大幅に強化され、モンスターによっては行動回数が増加。さらに新たな特技まで使うようになったものもいる。

　そんな中でも、過去に『ドラクエ３』をプレイしている経験者がとくに衝撃を受けた敵モンスターを体験談を交えながら振り返っていきたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■油断するとパーティを崩壊させられる脅威のムカデ

　イシス周辺に登場する「かえんムカデ」は、ファミコン版からの大幅強化でプレイヤーを驚愕させたモンスターの一種。かつては炎による全体攻撃を使うちょっと手強い敵といった印象で、それなりに警戒すべき相手ではあった。

　しかしＨＤ－２Ｄ版ではランダムで２回行動するようになり、それも集団で出現して「ひのいき」を連発してくる、とてつもなく凶悪な敵へと変貌していた。

　そんなことを知らなかった筆者は「炎を使われたら嫌だなあ」程度に楽観視して戦いに臨み、初対面の「かえんムカデ」にパーティを半壊状態にさせられている。

　実はこれまでの『ドラクエ』シリーズには「制限行動」というルールがあり、同ターン内に同じ強力な特技や呪文を連発してこないという仕様があった。しかし、ＨＤ－２Ｄ版『ドラクエ３』ではそれがなくなり、２回行動するかえんムカデたちは、容赦なく「ひのいき」を連発してくるのだ。

　あまりにも凶悪すぎる「かえんムカデ」の攻撃を見て、かつて『ドラクエ６』で最大４体同時出現し、「こごえるふぶき」を連発してきた「デススタッフ」の恐怖を思い出した人も多いのではないだろうか。

　『ドラクエ』シリーズにおける常連モンスターの「ばくだんいわ」は、ＨＰが少なくなると自爆する呪文「メガンテ」を唱えて、こちらに即死もしくは大ダメージを与えてくるやっかいな相手だ。

　とはいえファミコン時代の「ばくだんいわ」はＨＰが多いかわりに守備力は低く、安全に倒すのであれば「どくばり」による急所攻撃でチクチク倒すという攻略法もおなじみだった。

　その「ばくだんいわ」がＨＤ－２Ｄ版では大幅に強化された。ただでさえ多かったＨＰは２００も増加し、紙のようだった守備力まで大幅に増強されている。そして何より、ファミコン版ではＨＰが１／４になるとメガンテを唱える仕様だったが、ＨＤ－２Ｄ版ではＨＰが半分を切ったところに変更されたのである。

　これが思った以上に凶悪で、筆者は「まぁ大丈夫だろう」と油断してＨＰを削りきれず、何度もメガンテを食らってパーティをズタボロにされている。そのうえ「ぼうぎょ」してきたり、急所攻撃に耐性がついていたりと、さまざまな強化が図られていた。

　さらに追い打ちをかけるように、プレイヤーのレベルが高い場合には、他の出現モンスターが倒されると、「ばくだんいわ」は残りＨＰに関係なくメガンテを使うようになっており、「放っておけば無害」という安心感すらなくなった。