
2024年11月に発売されたHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の大ヒットがまだまだ続く、大人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズ。
本シリーズには、あまりにもキツい境遇に陥る主人公たちが登場する。基本的に『ドラクエ』は主人公が会話をしないため、プレイヤーの感情移入がしやすい。それだけに「なぜこんな仕打ちを受けてしまうんだろう……」と、思ったものだった。
そこで今回は、歴代『ドラクエ』シリーズにおいて、あまりにもハードな人生を送った主人公たちを振り返ってみたい。
※本記事には『ドラクエ3』『4』『5』各作品の核心部分の内容を含みます
■もっとも過酷? 成長期にトラウマ級の試練を浴び続けた『ドラクエV』
『ドラクエ』シリーズ屈指の過酷な人生を歩んだ主人公といえば、やはり『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の主人公ではないだろうか。
幼少期から父・パパスと2人旅を続けており、ビアンカとともに子どもだけでお化け退治に赴いたり、妖精のおつかいをするなど、なかなか激しい冒険をしている主人公。
ヘンリー王子の誘拐事件の際、ゲマにより父・パパスが目の前で殺されてしまう。自身が人質に取られたことでパパスは無抵抗で痛めつけられた末、主人公をかばい、命を落としてしまうのだ。そして成長期の10年間を奴隷として過ごすことに……。
その後、親友となったヘンリーとともに奴隷生活から抜け出し、母を探す旅に出るのだが、仲間になるのはほとんどモンスターばかり。カボチ村などでは、モンスターと共謀していると誤解されることもあった。
そして、故郷のサンタローズはラインハットに攻め滅ぼされており、父が隠していた「てんくうのつるぎ」を見つけるも、なんと装備できないという驚きの事実が発覚。当時「主人公なのになぜ?」と、疑問に思ったのは筆者だけではないだろう。
さらに、立ち寄ったサラボナではなかば強引に結婚を迫られ、女性2人(リメイク版では3人)から選べと言われてしまう。
だが、結婚後、実はパパスは国王だったこと、その息子である主人公は王子であることが判明。幸せがようやくやってきた! と思いきや、帰還後には大臣から疑われ、かわいい双子を出産したその直後に妻は誘拐され、挙句の果てに救出に行ったら夫婦ともに石化。そのまま8年も放置(妻は10年!)されてしまう。
その後、子どもたちにより助けられることになるのだが、困難はまだ続く。
極めつけは魔界での母・マーサとの再会だ。ほんの少し会話したあと、落雷によってマーサは死んでしまう。おそらくはラスボス・ミルドラースの仕業だろうが、探し続けてきた母親が目の前で亡くなるなんて……悲しさは半端ない。
ちなみにリメイク版ではこれがゲマの仕業という設定だったため、両親を殺された怒りが自然と湧いてきて燃えたものだった。
いずれにせよ、幼少期から苦難がこれでもかというほどに襲いかかる主人公。あまりにハードな人生すぎるだろう。もう『世界名作劇場』ばりに切なくて泣けてきてしまう。