■オープニングから怒涛の展開…幼なじみや育ての親も殺される『ドラクエIV』
『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の主人公も、なんともハードな人生を送っている。
第五章のスタート地点となる「山奥の村」は、のどかな風景だ。勇者の修行をする主人公を温かく見守る優しい両親や村人たちがおり、幼なじみのシンシアとも仲が良さそうで、ほのぼのとした感じが伝わってくる。だが、ここへたまたま訪れたのがラスボスとなる魔族の王・デスピサロであった。
勇者の可能性のある子どもを探していたデスピサロは旅する詩人のふりをしており、村の人を騙し、偶然見つけた主人公を警戒。のちに魔物の軍勢を引き連れて襲撃してくる。
村の人々は主人公を守ろうと地下室にかくまう。その際、親とは血のつながりがないことを聞かされ、さらに、自身が世界を救う勇者であることを知る主人公。その後、シンシアは「モシャス」を唱えて主人公と同じ容姿となり身代わりに……別れの言葉をかけてくるからかなり切ない。
魔王軍の攻撃をただ地下室でやりすごすしかないのもツラいのだが、その後、静まりかえった村に戻るとなんと村は全滅し、村人たちは皆殺しにされている。いきなりヘビーな展開となったので、かなり驚いたものだ。
ちなみにシンシアが最初に寝転んでいた場所を調べると「はねぼうし」が手に入る。当時、前情報もなく偶然手に入ったが、妙に切なくなったことを覚えている。
その後、エンディングで主人公はこの村に戻ってくる。シンシアと再会を果たす展開には感動したものの、あのシンシアは幻なのか、現実なのか……これは意見の分かれるところだろう。
筆者的には、あのシンシアは幻ではなく、現実であってほしいと信じたい。そして、あのとき預かった「はねぼうし」を渡してあげたいものだ。