■16歳になったばかりで魔王討伐を任され…せっかく平和を取り戻したのに帰れない『ドラクエIII』
ファミコン時代の最高のRPGともいわれる『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。本作の主人公も過酷な人生を歩んでいる。
16歳の誕生日、主人公は母親に起こされて城まで連れて行かれ、アリアハン王と謁見。魔王バラモスを倒すべく旅立つ。
アリアハンの勇者であった主人公の父・オルテガは、世界平和のため一人旅立つも音信不通となっており、もはや死んだこととして扱われている。そんななか、まだ16歳という大事な一人息子を冒険へと旅立たせる母親もかなり精神力が強い。さすがはオルテガを伴侶に選んだ女性だ。
その後、無事にバラモスを倒して凱旋するも、実は黒幕である大魔王ゾーマが存在することが発覚。下の世界・アレフガルドへ行かなくてはならなくなってしまう。
ゾーマの居城にたどり着くと、父・オルテガがキングヒドラと激闘している場面に遭遇する。だが、この戦闘は助けに入ることができない。
結果、オルテガはキングヒドラに敗れてしまう。そして、息絶える直前、「平和な世界にできなかった父を許してくれ…」と、そばにいた主人公に伝言を残すのだ。
生きていたはずの父に会えたのも束の間、まさか目の前で死んでしまうなんて……。しかも、息子だとは気づかぬままで、主人公もショックが大きかったであろう。さらに、ゾーマを倒したあとも、元のの世界に戻れなくなってしまう。
当時プレイしていたときは「勇者ロトなの!?」「1とつながってるなんてすごい!」なんて感動したものだったが、よく考えれば少年の主人公は母親の元へと帰れなくなってしまったということだ。母親からすれば、夫と息子が同時にいなくなったようなもの。なんとも悲しすぎる。
さて、ここまで振り返ってきた『ドラクエ』主人公たちはかなりハードな人生を歩んでいた。さまざまな困難が襲いかかるが、とりわけツラいのは、大切な人が目の前で死んでいく展開だ。
しかし、彼らはそれを乗り越えられる強い精神力を持っていた。だからこそ、ラスボスを倒すという偉業を成し遂げられたのだろう。