池田理代子さんによる少女漫画の金字塔『ベルサイユのばら』(以下、『ベルばら』)。男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェと王妃マリー・アントワネットの人生を軸に、フランス革命前から革命前期のベルサイユを描いたこの作品は、テレビアニメ化や宝塚歌劇団による舞台、昨年は韓国でミュージカル化された不朽の名作だ。
1月31日(金)からは、完全新作となる劇場アニメ『ベルサイユのばら』が公開される。本作でナレーションを務めたのは、元宝塚歌劇団月組トップ娘役で女優の黒木瞳さん。今回は、黒木さんに本作への参加の裏側や、『ベルばら』への思いを聞いた。
――原作誕生から50周年の大型企画として、劇場アニメが制作されました。決定のニュースが出たのは2022年でしたが、一報を聞かれたときは?
黒木瞳さん(以下、黒木) 私もニュースで知って、まずは「本当かしら」と思いました。なぜかというと、あれだけの長い物語を映画にするというのは、すごく大変な作業に違いないと思いましたので。
宝塚でも「オスカル編」「アンドレ編」「フェルゼン編」など多くのエピソードがありますからね。どうまとめ上げるのだろうと。ただ、もちろん喜びと好奇心と興味が沸き上がりましたので、「ぜひ参加したい」と立候補しました。
――黒木さんのほうから、「作品に参加したい」と手をあげられたんですね。
黒木 本当にひと言でいいので、参加したいと思ったんです。もしご縁があるなら「民衆のひとりでもいいから」と。むしろ「民衆のひとりでいいです」という感じでした。
――実際はナレーションでの参加になりました。黒木さんがおっしゃったように劇場アニメですので、話を動かしていくナレーションは重要な役回りです。
黒木 信じられなかったです。大好きな作品ですので、「本当にひと言でいいのに」と思っていました。台本をいただきましたら、作品がナレーションから始まっていきますし、ステキな物語だからこそ「失敗は許されない」と思いました。
――ナレーションを黒木さんが務めるというニュースが解禁になったのは、2024年の11月と、だいぶ後になってからでしたね。
黒木 オスカル(沢城みゆきさん)や(マリー・)アントワネット(平野綾さん)などのキャスト情報は早くから発表されていましたから、自分が出演していることを早く言いたくて仕方なかったです(笑)。早く自慢して、みなさんに宣伝したいと思っていました。