■基礎スペックが高すぎる『ルビー・サファイア』メタグロス

 最後に、3作目『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の時代に猛威を振るった、“てつあしポケモン”の「メタグロス」を紹介しよう。

 『ルビー・サファイア』のチャンピオン、ダイゴの切り札でもあるメタグロスの強さは、シンプルにして強力無比なスペックの高さにある。

 ポケモンには「種族値」と呼ばれる基礎ステータスがそれぞれ設定されているのだが、メタグロスの種族値は最高クラスの合計600だ。通称「600族」とも呼ばれる高い性能と、多くのタイプを半減以下に抑える「はがね・エスパー」タイプでゴリ押しできるのがメタグロスの強みである。

 対戦では、技の威力を上げる「こだわりハチマキ」を持たせ「コメットパンチ」を連発するだけで、大抵のポケモンを倒せた。また「じしん」「ヘドロばくだん」など別タイプの技も多く覚え、いざとなれば「だいばくはつ」で道連れも狙えるのだから、相手としては厄介極まりない。当時のプレイヤーはメタグロス対策に余念がなかっただろう。

 ちなみに、メタグロスは2対2のダブルバトルでも強い。「だいばくはつ」で相手のポケモンをまとめて倒す戦法が使えるからだ。強者の条件とは、戦場を選ばないことなのかもしれない。

 

 比較的初期の対戦における「猛者ポケモン」を振り返ってきたが、ポケモン対戦の歴史はまだまだ先がある。『ダイヤモンド・パール』時代のガブリアスや『Ⅹ・Y』時代のメガガルーラなど、その時代を代表する強ポケモンは何度も入れ替わってきた。

 最強がいつまでも最強ではない流動性こそ、ポケモン対戦が何十年も遊ばれてきた理由といえるだろう。

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