10代の小野賢章が号泣した先輩からのアドバイス「すごく負けず嫌いで尖っていたんですよね」の画像
写真提供/小野賢章

 現在放送中のアニメ『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』(テレビ朝日系ほか)。主人公のラウストを演じているのは小野賢章さんだ。ラウストは治癒師だが能力が低く、所属していたパーティーをクビになってしまう。新しい仲間を探していたところ、武闘家の少女・ナルセーナに「お兄さん、私とパーティーを組みませんか?」と誘われ、ダンジョン探索に踏み出していくというストーリーだ。

 今回は、ラウストが作中で転機を迎えたことにちなんで、小野さん自身のターニングポイントについても深掘りする。【第2回/全4回】

インタビュー第1回はこちら!

――パーティーから追放された治癒師ラウストは、ナルセーナという人物と出会うことで、その実力を発揮していきます。ふたりの関係性を表現していくうえで大切にされていたことをお聞かせください。

小野 ナルセーナの中には、かつてラウストに助けられたという記憶があるんです。それから数年後、ラウストに再会したときに、ナルセーナにとってのかつてのラウスト像が変わっていないように意識していました。“助けてくれた優しいお兄さんがいる”みたいな感覚がよみがえるように表現できればいいなと考えていましたね。

――ラウストがナルセーナに出逢ったように、小野さんにとってターニングポイントになった出会いはいままでありましたか?

小野 そうですね……。僕は声優の仕事が増える前はずっと舞台をやっていました。10代後半のころはさまざまな舞台に出演していたこともあって、すごく負けず嫌いで尖っていたんですよね。

 そのころは、なかなか主役につくことができなくて、いつも3番目、4番目のところにいて。でも、「絶対に自分のほうがうまいのに」なんてことを思いながらやっていた時期でした。でもね、そういう思いって、いろいろなところに出ちゃうものなんですよね。

 この人より目立ってやろうとか、誰よりも印象に残るように演じてやろうとか、そういうことを考えてやっていると、ふだんのふるまいとか、演技に出てしまう。そうやって舞台に出ていたら、とある舞台の打ち上げのときに、先輩から声を掛けられたんですよ。

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