■敵の行動を封じる! じわじわとHPを削り取ってやりたい「死神の笛」
最後まで徹底した悪役だったのが、大魔王バーンの側近として登場したキルバーンだ。彼の武器「死神の笛」は死神にピッタリの大きな鎌で、これを振るうと空気の流れが笛を伝わり、人間の耳にはほとんど聴きとれない高周波の音を出す。
これにさらされた人間は視覚と聴覚を狂わされてしまい、最終的には全身の感覚を奪われてしまう。死の大地で対峙したポップは体が動かない状況に追い込まれてしまい、万事休すとなったほど。キルバーン本人も“暗殺には最適”と言っているが、体の動きを封じられて、あの大きな鎌で喉笛を引っ掻されそうになるなんて……考えただけでも体が硬直してしまいそうだ。
ゲームだと敵モンスターが使ってきそうな武器だが、自分で使えるならぜひとも欲しい。まずはこの笛を吹いて動きを数ターン止めておき、一斉攻撃で敵を仕留める。う〜ん、勇者一行なのに死神のような姑息さがあるので、ちょっと引いてしまうかも。じわじわと相手のHPを削り取るなんて、伝説の勇者たちがすることではないかもしれない……。
ゲーム化は難しいかもしれないが、こういった武器があってもいい気がする。……とはいえ、原作では竜騎将バランには通用しなかった。レベルが高い相手には効かないのかもしれない。そうなると、ボス戦では使えないのだろうな。
ほかにも大魔王バーンが装備していた「光魔の杖」も、ゲームに登場する「理力の杖」とは違いがあり、魔法力の高いキャラが装備することで強い武器へと変化する。面白いアイデアだし、呪文や闘気の攻撃を防ぐことが可能となっていたのも良かった。竜の騎士の必殺技「ドルオーラ」を防ぐのだから、攻防一体の素晴らしい武器だった。
また、武器ではないが、装備しているだけで呪文を跳ね返す究極の盾「シャハルの鏡」もワンセットで欲しいところだ。
このように『ダイの大冒険』では、本家『ドラクエ』シリーズでも使いたくなるような魅力的な武器が続々登場している。そんな想像をしながら読み返してみるのも、また一興ではないだろうか。