1989年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、今年で35周年を迎えた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二氏、原作:三条陸氏、作画:稲田浩司氏)。
名作バトル漫画としても知られる本作には、主人公・ダイが装備する地上最強の「ダイの剣」のように、本家のRPG『ドラゴンクエスト』シリーズにも出てきそうな魅力的な武器がたくさん登場する。
そこで、思わずゲームでも使ってみたくなった『ダイの大冒険』に登場する「伝説級の武器」を振り返ってみよう。
■『ドラクエ』でもアムドしたい! 攻撃呪文やブレスを防いでくれる「鎧の魔剣」「鎧の魔槍」
まずは、“魔界最高の名工”と謳われるロン・ベルクが作った伝説の武具「鎧の魔剣」だ。
装備しているのは、魔王軍不死騎団長のヒュンケル。剣を収納している鞘が防具と化した、あらゆる呪文を受けつけない最強の鎧だ。これにより、魔法が使えない戦士もウィークポイントを克服できるため、肉弾戦に持ち込める。
実際、作中ではポップやハドラーの魔法を無効にしている場面もあった。剣の達人でもあるヒュンケルにとっては、最高の装備品といえるだろう。
なんといっても、防具に変わる瞬間に「鎧化(アムド)!!」と言うのがカッコ良い。ゲームで使う場合だと攻撃力だけでなく、守備力もアップしそうだ(素早さは落ちそう?)。
呪文だけでなく、ブレス系の攻撃も効かないのでまさに無敵……なのだが、実はデイン系は防げない。ダイのライデインには直撃を受けてしまっていた。
また、魔法と剣を合わせ持つ特技(原作では「魔法剣」)にも弱い。ダイにはメラ系を組み合わせた剣技によって追い込まれてしまい、最後はライデインのパワーを受けたライデインストラッシュで撃破されていた。
そして、この鎧の魔剣と対をなす「鎧の魔槍」も、かなり凄い武具だ。ラーハルトが装備しているが、軽量化を活かしてさまざまな武器を収納できるので使い手の器用さが求められる。
『ドラクエ』のコマンドで「鎧の魔剣」や「鎧の魔槍」を選択し、「アムド」の掛け声とともに装備できるなんてなんとも憧れてしまう。自動修復機能もあるので、防具が傷ついてもしばらく放置すれば守備力が復活するのは面白そうだ。とはいえ、ゲームバランスが崩れてしまうので、手に入るのはやはり中盤以降だろうけど……。
■戦士でも呪文が使える!? メラ、イオ、バギと使い分けが可能な「グレイトアックス」
獣王クロコダインは、戦士でも呪文が使える両手斧「グレイトアックス」を装備している。こちらを手がけたのもロン・ベルク、やはりすごい腕前だ。「唸れ」の掛け声に続けて爆音ならイオ系、轟火ならメラ系とクロコダインのパワーに乗せて敵を一掃できる。
もともとクロコダインは「真空の斧」という武器を愛用していた。こちらは魔法力を秘めた宝玉(魔宝玉)によって、バギ系の呪文効果を奮うことができる武器だ。作中ではダイたちとの戦いにおいてはバギによって動きを封じ、ポップのメラゾーマさえ防御するという使い方を披露。腕力だけではないところを見せている。
真空の斧は大魔王バーンの攻撃によって魔宝玉ごと粉々にされてしまったが、その後、ロン・ベルクによってグレイトアックスを譲り受けたクロコダイン。バギの効果は見られなかったものの、盟友バダックがバギについても触れているので、おそらく使い分けができるのだろう。ギラ系やヒャド系はないのだが、メラとイオ、バギがあれば、かなり十分ともいえる。
クロコダインも「ちょっとしたアバンストラッシュ気分だわい……!!」と、最終決戦となった地上にいる敵モンスターを相手に優位に立っていた。
それにしても、異なる呪文をアイテム効果として使えるなんて、ゲームでも見たことがない。単体攻撃のメラ、グループ攻撃のバギ、全体攻撃のイオと分かれているのが素晴らしい。
武器自体の攻撃力も相当高いので、こんなアイテムがゲームに登場したら伝説級だ。戦士タイプの仲間キャラにとって、敵の特性に応じて呪文の使い分けができる武器は相当嬉しいはず。防御力の高い敵が複数登場した時に重宝しそうである。