■飛び立つ飛竜を見送る空は青かった…

 『ダブルクロス』以前の狩猟で大いに活躍した「ペイントボール」。ぶつけることでマップ上にモンスターの位置を一定時間表示してくれる優れものだが、こうした要素が存在することによって生まれる悩みもあった。

 前述の通り、「移動」に時間を要する過去作の『モンハン』では、モンスターの位置を常に把握しておくことが基本中の基本。討伐対象を見つけたら、まずペイントボールを投げるのが狩りのルーティンとなっていた。とくにエリアを大きく移動するような飛竜種たちには必須で、もしも持ってくるのを忘れてしまっていたら、開始直後から溜め息をつくことになるのは間違いない。

 ペイントボールを無事にぶつけてからも油断は禁物である。狩猟に夢中になっているといつの間にかペイントの効果時間が切れていることもしばしばで、飛竜種が飛び立つ瞬間に気づいても時すでに遅し……。

 再びモンスターの捜索に大幅な時間を割かなければならないのである。ペイントボールを外した時、もしくは手持ちがなくなってしまった時のあの虚しさはいまだに忘れられない。

 こうした過去作の『モンハン』の泥臭さも懐かしの味として思い出に刻まれているが、多くの人の本音は「廃止してくれてありがとう」だろう……。

■素材を求めて今日も夜ふかし

 『ワイルズ』でも変わらずハンターたちの頭を悩ませるであろう要素の一つが、モンスターの素材集めだ。多くのハンターが何千時間とプレイする『モンハン』だが、そのほとんどを素材集めに費やしていると言っても過言ではない。

 剥ぎ取りやクエストクリア後にランダムで与えられるモンスターの素材。「あと一つでこの装備が揃うぞ!」と意気込んでクエストに挑むも、その一つが何時間狩り続けても手に入らず、「あと一回だけ」を繰り返して朝を迎えたハンターたちも多いだろう。

 時には友達に協力を仰いで効率的にクエストを回すも、欲しい素材が自分には出ず、友達には何度も出てしまうなんてことは茶飯事。あげくに「もういらない」なんて言われてしまったら、溜まったフラストレーションを言葉に乗せそうになってしまう。しかし、協力してもらっている手前、そうした感情はグッと堪えて「もう一回お願いします」と懇願するのである。

 そんな苦労を乗り越えて目的の装備が揃った際の喜びはひとしお。周囲からの関心や自身が成長できていることを実感できるからこそ、『モンハン』は何年もハンターたちの心を惹きつけて止まないのだろう。

 

 今回紹介した以外にも、ハンターたちによって一喜一憂したポイントはさまざまだろう。待望の『ワイルズ』発売までまだ時間がある今だからこそ、過去作をプレイしながら思い出話に大いに花を咲かせてみてはいかがだろうか。

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