『SHOGUN 将軍』だけじゃない! 『里見八犬伝』に『太平記』、『たそがれ清兵衛』も…俳優・真田広之が演じた「時代劇」の名シーンを振り返るの画像
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 アメリカ・テレビ界における最高名誉の「エミー賞」で、俳優の真田広之さんが快挙を成し遂げた。自身が主演とプロデュースを務めた連続ドラマ『SHOGUN 将軍』が、作品賞や主演男優賞など18部門を受賞したのだ。

 長年にわたり国際的な舞台で存在感を示してきた真田さんだが、その実力がついに栄誉ある舞台で認められたというこのニュースは日本列島を駆け巡り、桃井かおりさんや鈴木亮平さんなど、芸能界からも祝福の声が続々と届いたことでも話題を呼んだ。

 真田さんは今では世界的な俳優として活動しているが、昭和から平成にかけては日本国内で大活躍をしていた。なかでも殺陣やアクションは素晴らしく、時代劇には欠かせない存在でもあった。今回はそんな真田さんが過去に演じた時代劇の名シーンを振り返りたい。

■アグレッシブな殺陣に筋肉が光る!『里見八犬伝』

 1983年12月に公開された映画『里見八犬伝』は、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』を新解釈し、名匠・深作欣二監督がメガホンを取った作品だ。本作は薬師丸ひろ子さん演じる静姫を救うため、八つの玉で結ばれた犬士たちが奮闘するSF時代劇である。

 真田さんが演じたのは、静姫のプリンス役でもある犬江親兵衛だ。最初は静姫といがみ合うような関係であったが、悪霊軍団と敵対を繰り広げるうちに心身ともに成長していく様子が印象的だった。

 本作ではとにかく若かりし頃の真田さんがカッコよく、なにより殺陣のアクションが素晴らしい。親兵衛は終盤に槍を構えた敵軍団に襲われるが、彼は両手に鎌を持ち応戦。軽やかな動きで次々と敵を圧倒し、回し蹴りを決めるシーンは爽快である。CGのない時代において、真田さんが自ら演じる殺陣は迫力満点であり、そのスリリングなバトルは観客に強いインパクトを残した。

 ちなみに、この戦闘シーンでの真田さんの衣装はシースルーの露出度の高い衣装であり、たくましく鍛え上げられた三角筋や背筋もなんとも美しかった。

 この『里見八犬伝』は真田さんのほか、千葉真一さんや京本政樹さん、夏木マリさんなど豪華キャストも話題を呼んだ。ロックで英詞の主題歌や特撮技術が使われたりと、それまでの時代劇には見られなかった新しい試みで作られた本作。真田さんら俳優陣の見事なアクションシーンは、今見返しても圧巻で、一見の価値ありだ。

■そこにいるだけで将軍としての存在感がすごい『太平記』

 『太平記』は、1991年に放送された第29作目のNHK大河ドラマである。鎌倉時代末期、南北朝時代の動乱期を描いた壮大なスケールが見どころで、真田さんは主人公・足利尊氏(高氏)を演じた。

 本作も豪華な俳優たちの出演が話題となった。高氏の父・貞氏を演じたのは緒形拳さん、北条高時役に片岡鶴太郎さん、尊氏の恋人役に宮沢りえさんなど、実力派が集結している。

 これほど豪華な俳優陣に囲まれてもなお、真田さんの存在感は凄かった。その端正な顔立ちは時代劇にぴったりで、将軍としての凛としたたたずまいが際立っていた。馬に乗る姿も自然で、まるで鎌倉末期を生きる武士そのもののような立ち振る舞いに視聴者はひきつけられた。

 そして、本作でも真田さんの迫力ある殺陣は健在だ。本人自ら演じた、乗馬しながら的を射る流鏑馬のシーン……甲冑を身にまとった姿も素敵で、技術の高さはもちろんだが、アクションの中にも侍としての威厳が滲み出ていた。

 実は日本舞踊の名手でもある真田さん。作中で舞を披露するシーンでは、幼少期から磨かれてきた技が遺憾なく発揮されており、本作の大きな見せ場のひとつでもある。

 『太平記』は、足利市協力のもと壮大な合戦シーンや武家屋敷のセットなどが用意されたことなども注目され、視聴率は平均26%、最高34.6%を記録した。このドラマは、真田さんの俳優としての存在感をいっそう知らしめた重要な作品だと言えるだろう。

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