■推理を楽しみたい派もドラマを観たい派も満足の「令和仕様アドベンチャー」

 さて、この“ファミ探”シリーズ、ゲームシステム的には、昔ながらの推理アドベンチャー。捜査現場で「聞く」「調べる」といったコマンドを選び、聞き込み調査をしたり、証拠を見つけたりして、事件の解決を目指します。

 このレトロなシステムは最新作でも踏襲されていますが、今どきのゲームと同じ感覚で快適に捜査が進められるよう、ブラッシュアップされています。「考える」というコマンドが便利になったのも、その一環でしょう。これを選ぶと、次に何をするべきか、主人公が考えて言葉にしてくれるんです。行き詰まったときにヒントをもらうこともできますし、“何よりシナリオを楽しみたい”というプレイヤーにとっては非常に便利なはず。

『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』(任天堂) (C)Nintendo

 映像表現はさすがの令和仕様で、なめらかに動くキャラクターのビジュアルや、緒方恵美さんや皆口裕子さんといった豪華なキャストによる感情豊かなフルボイスを楽しめます。これはもう、ドラマを観るようにストーリーを追う楽しみ方もアリでしょう。

 でも、自分でしっかり推理したい派のプレイヤーもご安心を。ちゃんと考えないと正しい答えが導き出せず、悔しい思いをする仕掛けも用意されています。

 そんな『ファミコン探偵倶楽部』の1作目と2作目は、ニンテンドースイッチで、やはり令和仕様のリメイク版が発売されています。最新作をプレイして主人公たちの過去が気になった人、この手の怖い話が好きな人は、遊んでみてください。

 ちなみに、幻の番外編は、一度も移植やリメイクが行われていません。実は筆者、当時サテラビュー関係の仕事をしていて、リアルタイムで遊んでいます! シリーズ人気が再燃すれば、企画も持ち上がるかもしれませんので、ヒロイン・あゆみが主人公のこの作品を、令和仕様で遊べる機会を待ち望んでいます。

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