■廃墟となるストーリーを何度もループする『ドラクエ6』の「グレイス城」

 最後は『ドラクエ6』に登場する「グレイス城」だ。

 この城を訪れるのは中盤以降。すでに廃墟と化しているのだが、ほとんど情報もないので初見だと驚く要素が多い。夢の世界では王様が悪魔を呼び出して魔王を倒そうとしているのだが、そもそも悪魔って魔王と違うのだろうか……。

 お供え物もあるのだが、なんだか気味が悪くて仕方がない。ここで過去のストーリーを全部見ることが可能で、勇者専用の防具である「オルゴーのよろい」を兵士長が地下に隠したと知ることができる。逆に、このシーンを見ていないと初見では隠し階段を見つけることができないのだ。

 そして、いざ儀式が始まると封印を解いたことで大悪魔の怒りを買ってしまい、凄まじいパワーで城の人間が消滅していってしまう。そもそも王様の思いつきで巻き添えに遭った人たちが、不憫で仕方ない。ちなみにこの悪魔は裏ボスのダークドレアムとなり、力で倒さないと言うことを聞いてくれない。

 このお城は現代でも廃墟となっており、隠し階段の場所を調べることで残された宝をゲットできる。ただ、もう一度過去に行くと、また一からイベントがリプレイされることとなり、延々ループとなる。毎回、王様の頭をはたいてやりたくなるものだ。

 

 『ドラクエ』シリーズには、たびたび廃墟となった町や施設が登場する。それまで幸せに過ごしていた人もいるだろう……と考えると切なくなってしまうものだ。

 ほかの城や町がそうならないためにも、主人公たちが身を挺して魔王軍と戦う必要があるのだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3