HD-2Dリメイク版ではどうなる? ファミコン『ドラゴンクエストIII』で味わった「絶望の瞬間」 ひとくいばこの圧倒的破壊力にあぜん…の画像
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』公式サイトより  (C)1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO

 2024年11月14日の発売が決定したリメイク版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。1988年にファミリーコンピュータ用ソフトとして誕生した名作『ドラクエ3』が、美しいHD-2Dグラフィックによって新たに蘇るという制作発表があったのが2021年5月27日の「ドラクエの日」。そこから約3年がたち、ようやく遊べる日がそこまで来たが、リメイクのニュースを聞いて、かつてプレイした『ドラクエ3』のあれやこれやを振り返ったという人も多いのではないだろうか。

『ドラクエ3』は、16歳の誕生日を迎えた主人公が魔王を倒す冒険に旅立つ物語を描くRPG作品だ。はじまりの街・アリアハンでパーティを組み、近隣で地道にレベルを上げゴールドを貯め、装備を整えて次の目標へと向かう。その先でどんな展開が待ち受けているか、ワクワクと期待を膨らませてコントローラーを操作したものだが、冒険の途中では突然主人公を襲う「絶望」も珍しくなかった。

 今回は、『ドラクエ3』の冒険の中で、多くのプレイヤーが味わった「絶望の瞬間」をもう一度振り返ってみたい。

■フィールドでもダンジョンでも…突如訪れる「全滅ポイント」

 順調に冒険を進めていたと思いきや、思いがけない強敵グループに襲われ一気に全滅するというのは『ドラゴンクエスト』シリーズではおなじみの光景。『ドラクエ3』ももちろん例外ではなく、プレイヤーはさまざまな場面で「全滅」という絶望を味わった。

 たとえば、勇者の冒険はアリアハン大陸から始まり、そこから「とうぞくのかぎ」を入手することで旅のとびらを通ってロマリアの国に着く。通常であれば、そこからは北へ向かい、カザーブの村を目指すところだが、ロマリアの東部にアッサラーム地方へ抜ける橋があり、そこでさらに先の目的地であるピラミッドのあるイシス方面に行くことも可能なのだ。

 ロマリアの住民に話しかけると、「はるかきたに カザーブのむらが ありますわ」「まず きたに いくことだ!」と教えてくれ、なかには親切に「ひがしには おそろしいかいぶつが……」と注意を促す兵士もいる。

 そうした注意やロマリア王の頼みであるカンダタ討伐も無視して、意気揚々とアッサラーム地方に抜けると、そこで待ち受けているのは兵士の言っていた強力なモンスターばかり。レベル10にも満たないであろう勇者たちは、ぐんと実力が上である「あばれザル」3匹や「キャットフライ」に遭遇してしまい、当然ながら全滅。絶望の気持ちとともに「まずは北から……」と仕切り直したという人も多いだろう。

 どれだけ慎重に冒険を進めても、突如あらわれた強敵にやられてしまうというケースも少なくない。たとえば、「まほうのかぎ」を入手するために避けては通れない「ピラミッド」では、落とし穴のトラップや謎解き、複雑な迷路など、たたでさえ息苦しい要素が多い中、1階にある宝箱をなんの疑いもなく開けると、これが罠で、「ひとくいばこ」が飛び出てくる。

 その後のシリーズで「ひとくいばこ」はおなじみになり、宝箱を見ても中身が怪しそうだと疑うようになったが、登場はファミコン版『ドラクエ3』が初。しかもピラミッドの「ひとくいばこ」は場違いなほど攻撃力が高く、ファミコン版『ドラクエ3』ではボスを含めても上位に入る攻撃力の持ち主でもあった。適正レベルでピラミッドを訪れても、ひとくいばこから100以上のダメージを受けることもあり、多くのプレイヤーが全滅の憂き目に遭った。

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