バトル漫画ではさまざまな戦いが展開されるが、そのすべてがシリアスな戦いばかりではない。中にはギャグっぽくなってしまうものもあり、ちょっとした息抜きのような感じにもなっている。
そういった勝負は序盤に登場することが多く、普通の戦いではないからこそ印象にも残ってしまう。特に「お色気」を強調したものならなおさらである……。
そこで今回は、バトル漫画に出てくる「お色気系の迷勝負」を振り返っていきたい。中には懐かしい! と思ってしまうものもあるはずだ。
■『ドラゴンボール』透明人間の意外すぎる攻略法
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、バトル漫画のバイブルといっても過言ではない。それだけ迫力のある戦いがたくさん描かれ、多くの人たちを魅了してきた。力と技のぶつかり合い、気功波の応酬には、思わず手に汗を握ってしまう……。
しかし、そんな戦いの中にも「そんな勝ち方あるの?」と驚かされるものがあった。それが、占いババの館でヤムチャが透明人間のスケさんと戦う場面だ。
スケさんは透明であることを利用して、ヤムチャに見えない攻撃を仕掛けてきた。この時点ではまだ、気を感じ取ることをどのキャラもしていないので、視認のみでの戦いである。そのためヤムチャは、一方的に攻撃を受ける羽目になってしまった。
そこでクリリンが思いついたのが、「亀仙人の前にブルマを立たせて胸をはだけさせる」という、何ともスケベな打開策……。その結果、亀仙人は鼻血を大量出血。それがスケさんにかかって、姿が見えてしまったのだ。
形勢は逆転し、ヤムチャから攻撃されると、スケさんは「まっ まいりました すいません!」と白旗を上げて降参した。
こんな形で逆転できるとは思えなかったので、さすがは策士のクリリンだ。ナッパとの戦いやナメック星でしぶとく生き残れたのも、瞬時に機転が利くからだと納得してしまう。
亀仙人からするとラッキーともいえるが、巻き込まれたブルマとしてはたまったものではない……。
■『HUNTER×HUNTER』レオリオのスケベ心を利用した戦い
次は冨樫義博さんによる『HUNTER×HUNTER』(集英社)の戦いの一幕を紹介したい。それがレオリオとレルートとの戦いである。
この戦いはハンター試験でおこなわれた、それぞれの時間と刑期を賭けた勝負だ。その中でレルートは「あたしが男か女か賭けてもらうわ」と誘ってきた。
レルートはどう見ても女性……。しかし、確認方法としてその体を「気が済むまで調べていい」と持ちかけられると、レオリオは迷わず「男に10時間!!」と賭けた。当たっても外れてもレオリオに取ってはどちらでもおいしいというわけだ。「て ゆーか はずれろ!!」と心の中で叫んでいるあたり、勝負そっちのけの下心がうかがえる。
結果はもちろんハズレてしまったが、しっかり確認できたレオリオは幸せそうな顔をしていた。スケベ心を利用されてしまったのが明らかである……。しかも仲間のクラピカとキルアにも「レオリオの奴… 男に賭けるな」「うん」と見抜かれていたから笑ってしまった。