昨今、さまざまなゲームの“リメイク作品”が発表され、そのたびかつてのファンが盛り上がりを見せている。しかしその一方、リメイクの際に“消滅”してしまった設定があることが明らかとなり、一部のファンが落胆するというケースも。今回は、残念ながらリメイクで消されてしまった悲しき要素たちについて見ていこう。
■木梨憲武プロデュースのなんとも憎めないネタキャラ…『Marvel Super Heroes Vs.Street Fighter』
2024年6月に、任天堂の新作情報番組『Nintendo Direct(ニンダイ)』のなかで、『MARVEL vs. CAPCOM Fighting Collection:Arcade Classics』なる一作が発表され、話題を呼んだ。
過去に発売された「MARVEL」と「CAPCOM」のコラボ作品を一挙に収録したパッケージとなっており、7つの作品をまとめたボリューミーなリメイク作品となっている。
多くのファンが歓喜した一方で、とあるパッケージイラストから「憲磨呂(のりまろ)」というキャラクターの姿が削除されていたことが、大きな話題となった。
憲磨呂は当時放送されていた番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)の企画によって生まれたキャラクターで、とんねるずの木梨憲武さんによってデザインされた。
坊主頭と眼鏡、独特の老け顔が特徴的な学生のキャラで、数多くの格闘家やヒーローたちが激突する作品のなかではかなり異色な存在。キャラクターの声も木梨さん本人が演じていたりと、まさに知る人ぞ知る色物キャラクターとして活躍していた。
その戦い方も、鞄から取り出した物を投げる、飛び上がって相手に突っ込む、駄々っ子パンチ……など、非力かつギャグテイストなものばかり。いわゆる“ネタキャラ”として愛されていた彼だが、実は「MARVEL」側に拒否されてしまったことが原因で海外版ではキャラクター設定が削除されてしまい、日本版でのみしか登場しない特殊キャラでもある。
今回のリメイク作品でもキャラクター一覧に「憲磨呂」の姿はないため、いまだにSNSでは登場するのかどうか、さまざまな憶測が飛び交っている。
事情が事情だけに仕方がないと思いつつ、一方でその個性的な姿を今一度見てみたい、と願うファンも少なくないのかもしれない。
■端役だけど活躍するその姿に一安心?『スーパーマリオRPG』
1996年に任天堂からスーパーファミコン(SFC)用ソフトとして発売された『スーパーマリオRPG』は、同社の顔としていまもなお活躍している『マリオ』シリーズと、数々の名作RPGを世に送り出してきたスクウェア(現:スクウェア・エニックス)がタッグを組んだRPG作品である。
『マリオ』シリーズ特有のアクションを見事にRPGの戦闘や謎解きに組み込んだ意欲作で、コラボ作品でありながらそのクオリティの高さが多くのファンを獲得した。
そんな本作は、2023年にハードを「Nintendo Switch」に移し、ついに正式リメイクされた。当時の雰囲気はそのままに画質やグラフィックを向上させ、新規ハードに合わせた仕様改善など、より遊びやすくなる工夫が数多く施されている。
また、パッケージのイラストもSFC版を踏襲しており、マリオやピーチ、さらには本作オリジナルキャラのジーノらがずらりと並んでいる。だが、実は一人だけかつてのSFC版から削除されてしまったメンバーが存在する。
それは、『マリオ』シリーズでもお馴染みとなっているヨッシーだ。SFC版ではしっかりとマリオらの列に加わっているが、リメイク版ではどこにもその姿はない。
しかし、これはヨッシーが本編から削除された……というわけではない。もともとパーティメンバーではなくメインシナリオにも深くかかわる存在ではないため、パッケージの一団から外された、という見方が濃厚だ。リメイク発表時、「ヨッシーはいないの?」と疑問を抱いたファンたちも、作中で変わらず活躍するその姿に胸をなでおろしたことだろう。