■あれもこれもできれば残してほしかった…『ドラゴンクエスト』シリーズ
1986年に初代作品が登場し、洗練されたゲームシステムや独自の世界観でファンを魅了し続けている『ドラゴンクエスト』シリーズ。ハードが進化した現在まで、何度もリメイクされてきた。
そんな『ドラクエ』シリーズでも、往年のファンにとってはリメイクのたびに「これは残してほしかった」と感じてしまうような“消滅劇”が存在した。
たとえば、2010年にリメイクされた『ドラゴンクエストVI 幻の大地』では、SFC版で人気だった「モンスターを仲間にするシステム」自体が大幅に改変。ニンテンドーDSでのリメイク版では、モンスターを仲間にすることができなくなった代わりに、特定のスライムを仲間にできる「スライムスカウト」なるシステムが導入され、ファンの間でも賛否両論を生むこととなった。
また、その人気から幾度となくリメイクされている『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』も、ガラケー用のモバイルアプリとして展開された際には、SFC版で多くのファンが夢中で遊んだ「すごろく場」が削除。
ゲーム容量などの問題もあるのだろうが、数々のリメイク版でも引き継がれていた要素だっただけに、ショックを受けたファンは多かったようだ。今年11月に発売予定のHD-2D版ではどうなるのか、気になるところだ。
さらに、2013年にニンテンドー3DSでリメイクされた『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』では、戦闘コマンドの「はなす」が削除され、戦闘中にパーティメンバーのコメントを聞くことができなくなった。必須要素ではないが、一方で仲間のちょっとした心境を聞けたり、反応をうかがえたりと、ファンにとってはこちらも好評なシステムだった。
新たなハードでのリメイクゆえにシステムの改変や削除は致し方ないところだろう。しかし一方で、オリジナルを遊んだことのあるファンからすると、残念に思ってしまう部分もあるかもしれない。
かつての名作が蘇る“リメイク”だが、さまざまな遊びが追加、修正されるなかで、思い切った決断から削除される要素も少なくはない。元となった過去作品との違いに一喜一憂するのもリメイク作品の醍醐味なのかもしれない。