『愛戦士ニコル』に『迷宮寺院ダババ』、『アルマナの奇跡』も…コナミが誇るファミコン「ディスクシステム」の隠れた名作アクションの画像
ファミコンソフト『迷宮寺院ダババ』(ふたまん+編集部撮影)

 1986年2月に発売されたディスクシステムには、面白いゲームがたくさんあったものだ。筆者はコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたゲームでよく遊んでいた。

 ただ、ディスクシステム本体がファミコンと同等の金額だったので、筆者の周囲でも手が出せなかった家庭は多く、名作でも世に聞こえない作品があった。我が家はアルバイトをしていた兄のおかげもあり、筆者のお年玉とあわせて共同で資金を貯め、発売と同時に購入した。

 今回は、カセットだったらもっと爆発的人気を獲得していたかもしれない、コナミが誇るディスクシステムの優れたアクションゲームを紹介しよう。

■長く遊べて楽しめた! パッケージにも惹かれた『愛戦士ニコル』

 まず、1987年4月に発売された『愛戦士ニコル』だ。パッケージや説明書のデザインがカッコよく、武器を構える若く美しい男女の仕草が、臨場感を醸し出していた。

 当時、よく訪れていたスーパーの3階にあるおもちゃ売り場には広いゲームコーナーがあり、その横には漫画本がたくさん並んでいた。ファミコンソフトのほか、プロ野球カードや野球盤など、がんばって貯めたお小遣いやお年玉をどれに使おうか悩んだ場所でもある。そこで『愛戦士ニコル』のPOPを見て、子ども心にこれは面白そうだと購入を決意した。

 さて、このゲームはトップビュー視点のアクションアドベンチャー。マップを探索しながら「クリスタルダイヤ」を集め、ステージクリアを目指していく。非常にスピード感があり、被弾してもライフ制なのでゲームオーバーとならず、わざとぶつかって距離を詰める戦法を取ったりしたものだった。

 マップ内にパワーアップアイテムがたくさんあり、敵の数も多いのでやり込みがいがあった。また、陸での戦いはスピーディーだが、水面に入ると動きが遅くなる演出もお見事だった。

 そういえば、本作はオープニングで主人公・ニコルの恋人であるステラが敵にさらわれるのだが、これがなかなか怖い。ニコルは14歳の少年なので、あれは普通にトラウマ級の出来事だっただろう。

■ぴょんぴょん跳ねるのが斬新! 移動と被弾をかわすのに頭を使った『迷宮寺院ダババ』

 1987年5月に発売されたのが『迷宮寺院ダババ』だ。本作はマップ上を移動するアクションゲームで、主人公・シヴァを操作してさらわれた恩師の娘・ターニャを救う旅に出る。

 このゲームは、マップ上のマス目をジャンプして移動するという一風変わったシステムを採用していた。十字ボタンで歩いたり走ったりするのではなく、シヴァはそれぞれの方向にジャンプしてしまうのだ。もちろん、敵も同様にぴょんぴょん跳ねるから驚いた。

 スキップしながら移動しているように見えるので、なんだか小躍りして嬉しそうなイメージだ。いやいや、シヴァよ……嬉しそうにしているんじゃない! ターニャにすればふざけているようにしか見えないぞ。

 このゲームは、実はパズルのように頭を使う場面も多く、なかなか面白かった。通常のアクションゲームだと移動した先に敵が来たらすぐに引き返せるが、本作はジャンプをしているので着地先を変えることができない。

 つまり、自分が跳ねた先に敵がいたらライフが減ってしまう。なので敵の行動を予測しながら進めないといけないし、飛び道具で攻撃してくるので被弾しないようにと頭を使ってプレイしたものだ。さすがコナミのゲームである。

 そういえば、シヴァも直接攻撃をするわけでもなく、常に何か投げつけて敵をなぎ倒す。武器もパワーアップしていき、火の玉や鉄球も投げられるので、末恐ろしい僧といえる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3