1984年よりTBS系列で放送された『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ(以下、スクール・ウォーズ)』が、2024年10月で放送開始から40周年を迎える。
同作は、元全日本ラグビーの滝沢賢治が荒廃した川浜高校に赴任し、熱血指導で不良生徒たちと全国大会「花園」を目指す物語。麻倉末稀さんが歌う『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』や芥川隆行さんのナレーションも印象的だった。
本作は元ラグビー日本代表・山口良治さんの実話をもとにしているが、大映テレビが制作したことで、よりドラマティックな展開に作られている。70年代から80年代にかけて「大映ドラマ」で一時代を築いた大映テレビは、大袈裟とも思えるようなセリフに過激な演出、襲い来る不運の連鎖、次々に人が亡くなるなど、目まぐるしいほどの"ジェットコースター展開"で視聴者を釘付けにした。
そんな大映ドラマの代表作のひとつが、今から約40年前に全26話で放送された『スクール・ウォーズ』だった。山下真司さんが熱血ラグビー部監督・滝沢賢治を演じている。
「one for all、all for one」など、同作では視聴者の心を掴んだ名言も多数。今回は、80年代の名作ドラマ『スクール・ウォーズ』より、卒業シーズン真っ只中な今だからこそ、思い出したい泣き虫先生・滝沢の「胸が熱くなる名セリフ」をいくつか紹介したい。
■弱気になった校長を励ます言葉
まずは第1話「それは涙で始まった」のセリフから。川浜高校校長・山城晋平は不良生徒とも真摯に向き会う教育方針を持っており、元全日本選手の滝沢を就任させるなど、荒廃した学校を立て直すため努力していた。
ところが山城は、生徒たちが起こしたトラブルが警察沙汰となったことで自信を失い、責任を取る形で辞職を考えるほど追い込まれてしまう。山城の弱音を聞いた滝沢は、今辞めてはダメだ、子どもたちはどうなるのかと説得する。そこで飛び出したのが次のセリフ。
「辞めるってことは見放すってことじゃないですか? ボールを持って突進してくる相手にタックルもせずに逃げ出すのと同じです」
ラガーマンである滝沢らしい例えであるが、山城のがんばりを知っているからこそ「定年前に辞職する」と消沈する姿が見ていられなかったのかもしれない。さらに、滝沢が山城を心配し飲み屋まで探して来たのも、教師の域を越えた二人の関係性を垣間見れた気がする。